2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 食育, 貧困, エコパーク, ジオパーク, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

 本学は、日本で最初にユネスコスクールに認定された大学として、中期目標の「大学の基本的な目標」において「『学ぶ喜びを知り、自ら学び続ける』教員の養成を志向するユネスコスクールとしての実績を発展させ、持続可能な開発のための教育の推進拠点としてその理念に立った研究と実践を進めることにより地域の教育の発展・向上に寄与する。」と明記している。

 特にESDに関しては、「持続可能な社会の創造に寄与しうる教育を推進するために、実践的指導力、自ら課題を発見し協働的に探求できる能力及びグローバルな視野を備え新たな学びに対応できる能力を身に付け、その向上を目指して常に学び続ける教員を養成する」ことに重点的に取り組んでいる。

①  ESDの普及・推進に係わる活動
 平成26年度より奈良市・橿原市・和歌山県橋本市・滋賀県彦根市の各教育委員会と連携し、企業やNPO、社会教育施設などを構成団体にむかえ、近畿ESDコンソーシアムを組織し、近畿地方を中心にESDの普及・推進に取り組んでいる。特に新学習指導要領に「持続可能な社会の創り手」の育成が明記されたことより、ESDを指導できる教員の拡大が喫緊の課題であると感じており、奈良市・橋本市でのESD連続セミナー、奈良県立万葉文化館、川上村森と水の源流館、春日山原始林を未来につなぐ会などの社会教育施設やNPOと連携した授業づくりセミナーを開催している。また、これらのESDに関する研修と連動する形で「ESDティーチャープログラム現職教員向け」を実施している。

②  ESDに係わる教育
 大学のカリキュラムにユネスコスクール推奨科目を設定し、積極的な受講を進めている。また、学生・大学院生・教職大学院生を対象としたESDティーチャープログラムを展開している。これはESDに関する科目の単位を取得することと、ユネスコスクールでのESD支援活動や被災地ボランティアなどのESD実践、授業以外でのESDを能動的に学ぶESD演習、さらに現職教員の指導の下、ESD学習指導案を作成するプログラムとなっており、教員としての基盤的力量とESDを指導できる資質能力の育成を図るものである。

来年度の活動計画

 昨年度に引き続き、日本ユネスコ国内委員会「ユネスコ活動費補助金グローバル人材の育成に向けたESDの推進事業」に応募し、「学校教員及びユースを対象としたESDの実践力強化」に取り組む。具体的には、全国5ヶ所ほどでESDティーチャープログラムを展開する。これはESDSDGsに関する理解の促進、ESDの学習理論、ファシリテータースキルの養成、ESD優良実践事例の検討、ESD学習指導案の作成と相互検討という5回の研修を継続的に実施することで、ESDを指導できる力量の形成と、開催地においてESDを研修する自主組織の形成を目的としたものである。
また、ESDでは地域教材の開発が求められる。そのため、現職教員と学生を対象に、世界遺産やユネスコエコパーク、ジオパーク、世界農業遺産などの現地を訪問し、教材開発を体験するプログラムを計画している。