2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, エコパーク, ジオパーク, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

オンラインで交流  本学はESDを核とした教員養成と教員研修を大学の3つの柱(特色)の1つに位置づけて取り組んでいる。教員養成においては、地球的諸課題やSDGsを理解し、SDGs達成の鍵となるESDについて学ぶ「ESD-SDGs基礎論」、及びESDの学習理論や教育現場でのESD実践の概要を学ぶ「ESD概論」を必修科目に位置づけている他、「ESDと世界遺産」「ESDと学校教育」「ESDと生活科・総合的な学習の時間」「持続発展教育と文化遺産」などの授業を展開し、座学だけでなくフィールドワークなど現地で五感を通して学ぶ機会を提供している。また、希望者を募って、自然環境と文化遺産を学ぶ機会として、春日山原始林フィールドワークを7回開催した。学生の自主的活動としてユネスコクラブ(部員数84名)を支援し、自然災害の被災地の学校との交流、近隣の学校に出向いてのESD授業実践、学生自身の企画・運営による学習会の開催などを支援している。掲載した写真は、2020年7月の豪雨災害で被災した大牟田市立みなと小学校と本学ユネスコクラブがオンラインで交流している様子である。
またASPネットワークが主催する「ユネスコスクール教員養成大学間プロジェクトTeaching Together GC4SD」に参加し、7チーム14名の学生がフィリピン等海外の教員を目指す学生と共にESD授業プログラムをオンラインで共同開発し、国内の学校で実施した。奈良市立平城小学校でGC4SD
現職教員を対象としたESDに係る教員研修として、全5回の系統的な研修プログラムであるESDティーチャー認証プログラムを、沖縄県・山形市・長野県山ノ内町・福岡市・大牟田市・大和郡山市立郡山西中学校・奈良教育大学附属小学校を会場に実施した。またユネスコスクールへの加盟を希望している天理市立福住小中学校及び長浜市立永原小学校においては、加盟支援としてESDティーチャー認証プログラムを校内研修に位置づけて実施した。さらに地域の社会教育施設との連携事業として、県立万葉文化館、森と水の源流館と授業づくりセミナー、奈良町資料館のリニューアル支援を実施した。また地域の企業との連携事業として「奈良新しい学び旅推進協議会」の設立より関わり、奈良の教育旅行をSDGsを学ぶ旅へと作りかえている。
3月には、SDGs及びESDを学ぶ基本的学術書として『学校教育におけるSDGs・ESDの理論と実践』(協同出版)を発行したほか、奈良新しい旅推進協議会のブックレットとして『奈良SDGs学びの旅』『SDGs学び旅ガイドブック』を作成した。

来年度の活動計画

2022年度も引き続きESDティーチャー認証プログラムを展開する。沖縄県・大牟田市・松山市・菊池市・福岡市・橋本市・奈良市での開催を計画している。現在、全国にESDティーチャーの認証を受けられた教員は117名であるが、次年度中に250名とする。また、奈良を訪れた修学旅行生に歴史文化遺産を通したESDを体験する機会として「奈良SDGs学び旅」を地域の旅館組合や旅行代理店、奈良商工会議所と連携して進めていく。学内における教員養成については、座学だけでなくESDを体感的に学ぶフィールドワークや体験的な学びの機会を開発する。さらにESDをテーマとした国際シンポジウムの開催をしたり、海外のユネスコスクール等との交流を行うことで、学生の視野を広げたいと考えている。