2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等

これから到来するSociety5.0時代には、自ら課題意識をもち、仲間と考え、探求し、創造していく力が求められる。本園では2019年度より、これまでの「自尊感」「からだ力」に加え、子どもたちが探求し、思考する姿に着目し、日々保育実践と研究を重ねている。豊かな自然環境と歴史遺産に恵まれた地の利を活かし幼児期に育てたい資質・能力をベースにESD実践を行っている。

具体的には、①世界遺産・地域の文化財に係わる活動、②人権や国際理解、持続可能な生産と消費に係わる活動を行った

  • 世界遺産・地域の文化財に係わる活動

奈良の大仏、東大寺の話を親子で聞く。年長児11月(2020年度)

奈良国立博物館の元学芸部長の西山厚先生に奈良の大仏についての話を親子で聞いた。大仏の年齢や誕生日、2度にわたって焼けたこと、大仏様には秘密の扉があることなど、知らなかったことをたくさん教えていただいた。事前に、大仏について知っていることを話したり、年中児の時に見に行ったことを想起したりしたことで、先生の話を聞きながら、質問をしたり考えを口々に話したり、活発な様子であった。

親子で東大寺に行き、大仏様を見る。年長児11月((2020年度)

西山厚先生の話を聞き終えたその足で、東大寺大仏殿を見学しに行った。大学から大仏殿までの道中、親子で聞いた話を振り返ったり、驚いたこと知らなかったことなど話をしたりしながら進んだ。

実際に大仏を目の前にし、顔と胴体の色の違いをじっくり見たり、背中側に回って秘密の扉を必死に見ようとしたり、子どもたち一人一人が話を聞き興味関心を持ったことを、自分の目で確かめようとしたりしていた。

大仏について知ったことや見たことを年少、年中児に伝える。年長児12月((2020年度)

子どもたちから、年少と年中児にも知ったことを伝えたいという思いが出てきた。そこで、どのようにして伝えるかを考え、伝えたいことを絵にして、クイズ形式にして伝えることになった。伝えたいことが伝わるような絵をグループに分かれて描き、どのような言葉で話すかを話し合った。年少、年中児を目の前に緊張した様子であったが自分たちが描いた絵を元に一生懸命に伝えていた。

  • 国際理解、人権、持続可能な生産と消費に係わる活動(予定)

「エコキャップ運動」についての動画を視聴する。(2020年度)

「幼児にもわかるSDGs(仮称)」の動画を視聴する。(2020年度)

来年度の活動計画

・活動の継続と見直しを行う

今年度の様々な活動を振り返り、ESDの視点で教育課程の見直しを行う。

・保護者への啓発の機会をもつ

手紙や講演会(オンデマンド等)などを活用し、保護者にも意識や行動を変えるきっかけをつくる。

・幼児期に育みたい資質・能力から、幼児期のESDで育みたい資質・能力を探っていく

現在の「思考力」の研究をベースに、目の前の子どもの姿から、育てたい資質・能力を探りESDとの関連性にも迫る。

・ESDについての職員研修の位置づけを検討する

ESD担当職員が研修で得た知見を報告し、保育に取り入れられる見方や考え方を研究にも反映させたりする。

・ESDにかかわる保育実践を発信する

実践発表の機会があれば、積極的に発信するようにし、様々な方と意見交流をする。

・コロナ禍での活動方法の検討

奈良教育大学のユネスコクラブの学生と協働で、幼児にもわかるESDの視聴覚教材等を作成する。