2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 健康, 食育, 貧困

これから到来するSociety5.0時代・地球規模の問題に直面する時代において、自ら課題意識をもち、仲間と考え、探究し、創造していく力が求められる。本園では「自尊感(心)」「からだ力(体)」「思考力(考える力)」の3つの柱を基軸に日々保育実践と研究を重ねている。園内外の豊かな自然環境と奈良の歴史遺産に恵まれた地の利を活かし幼児期に育てたい資質・能力をベースに保育とESDとの関連性を探りながら実践を行っている。

【持続可能な開発および持続可能なライフスタイル】に関わる活動(2021年3月)

本学のユネスコクラブの学生に「エコキャップ運動」「幼児にもわかるSDGs」をテーマに動画を作成してもらった。学年ごとに視聴し、日々集めているペットボトルキャップの意味や、普段の生活の中で子どもたちに身近な事例を通してSDGsへの興味を広げた。

【異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重】に関わる活動(2021年11月〜12月)

本園の3、4歳児は毎年11月に地域にある神社へドングリ拾いの園外保育に出かける。今年度、4歳児はクラスで1つの目的をもってドングリ拾いに行けるように奈良で鹿を保護している「鹿苑(ろくえん)」の話をして、保護されている鹿のためにドングリを拾い、届ける活動を計画した。

  • 鹿苑の鹿について知る

普段よく見ている野生の鹿以外に、病気の鹿や妊娠している鹿、怪我をしてしまった鹿などが保護されている施設があることを知る。保護されている鹿のエサが少ないことを知る。

  • ドングリを拾う(園内外)

鹿苑の鹿のために園内にある森でドングリを拾ったり、登降園時に落ちているドングリを拾ったりする。地域の神社にドングリを拾いにいく。

  • 園内に活動が広がる

鹿園にいる鹿にドングリを届けることを5歳児が知り、5歳児もドングリを拾って集める。

  • 番組を視聴する

奈良の鹿の特集が組まれた番組を視聴する。

  • 鹿苑への園外保育

みんなで集めたドングリを自分たちで鹿園に届けにいき、鹿園の施設見学を行う。

  • 保護者への啓発/ドングリボックスの継続

子どもたちが視聴した番組を保護者の方にも視聴する機会をつくる。鹿苑への園外保育の様子を動画にしたものを視聴してもらい、子どもたちの活動についての話をする。

【その他】(2022年1月21日)

岐阜聖徳学園大学教授の松本信吾氏に本園教員と、本学学生に向けて「幼児教育とESD・SDGs(仮題)」でオンラインによる研修会を実施し、ESD・SDGsと幼児教育のつながりの理解を深める機会とする。

来年度の活動計画

  • 活動の継続と見直し、幼児期に育みたい資質・能力から、幼児期のESDで育みたい資質・能力を探っていく。

普段の保育(自ら選んでする活動・みんなでする活動)でのねらいや育ちを見直し、その際にESD・SDGsに関する考え方を踏まえたものへの変更を検討する。(2023年度以降ESDを軸とするカリキュラムに改編予定)

  • 保護者への啓発の機会を探る
  • 園内でのESD・SDGsにかかわるの職員研修の位置づけ