2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

国際理解, 平和, 人権, 貧困

本校は、令和4年4月に、奈良市立平城西中学校から奈良市立ならやま中学校に校名変更した。また、同時に校区の2つの小学校が統合再編され、本校の敷地内に新しい小学校舎が建設された。同じ施設内に小学校が新規設置されたことによる利点を生かし、本校では今年度、小学校との交流に力を入れながらさまざまな取り組みを進めてきた。本校区地域では、「確かなつながりの中で、自ら学び続ける心豊かなたくましい子」をめざす子ども像とし、中学校・小学校・保護者・地域が連携しながら地域や世界の課題を自分事として考える取り組みを行っていきたいと考えている。
ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野の中でも、「地球市民および平和と非暴力の文化」の取り組みとして、地球規模で取り組むべき課題に今の自分たちにもできることがあるのかを考えることにした。
まず初めに、小学4年生の国語の教科書にある「ランドセルは海を越えて」の著者であり写真家でもある内堀タケシさんを講師に招聘し、インタラクティブな講演を通して、本校の2年生が小学5年生と保護者・地域とともに紛争地の子どもの実態を学んだ。アフガニスタンにランドセルを届けることで就学率が上ったことを知り、戦争のない社会の実現に向け紛争地の子どもたちにも教育を受ける機会の確保が大切であることを確信した。参加者たちは今の自分たちの生活を見つめなおし、平和の尊さを再認識した。
次に、本校の生徒会では自分たちにできることとして、昨年度平城西中学校でも行っていた「ユネスコ世界寺子屋運動」を継続して取り組むことにし、小中全体に呼びかけることにした。年々、年賀状離れが加速する中、今回は昨年度結果の約5倍であるおよそ250枚の書き損じはがきを寄付することができた。
生徒が主体となって企画・立案し、取り組む姿は、前身の平城西中学校から受け継がれてきた伝統であり、それをベースとして「ならやま中学校」では他者と協働し主体的に学び向き合うことを大切に、『自ら』『とことん』『つながりあって』学ぶ力を身につける教育を進める。

来年度の活動計画

小学校が本校敷地内に建設され、子どもの数が増えたことに伴い、関わってくださる地域や保護者の人数も増えた。この利点を生かし、本校での地域参画型学習に、地域在住の多様な知識と経験を持つ人材を「マイスター」として登録していただいている。多様化する価値観に寄り添いながら子どもたちの学びの伴走者として、防災学習を始めとした地域学習へ、より多くの地域人材の参画を進めていく。