2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 食育, その他の関連分野

本園は「身近な環境との関わりの中で、主体的に活動し、創造性豊かな子どもを育成する」を目標としてESDの視点にたち、子どもが、様々な身近にある環境に目を向け、自ら関わって自分たちにできることを考え、行動できる子どもの育成を目指し、継続して取り組んでいる。

具体的には、⑴子ども自ら創り出す力(主体性)⑵共に関わり育ちあう(協同性)⑶あきらめずにやり抜こうとする力(問題解決能力)⑷保護者や地域の教育力をいかす(連携力)を柱に以下の取組を行った。

栽培・食育の取組

年間を通じて地域の方に植え方や育て方を教わり野菜を育てた。例年は9月にお世話になっている地域の方を招待し、収穫した野菜を使い給食を一緒に食べる取組をおこなっていたが、今年度は、コロナ禍で一緒に食事ができない状況となった。この状況下でも地域の方に感謝の気持ちを伝えたいという子どもの思いをうけて、どのようにしたらよいかみんなで話し合った。そして収穫した野菜とその野菜を使った料理のレシピカードを作り、地域の方へ届けることで、感謝の気持ちを伝えることができた。

②『あいさつ強化デー・クリーンデー』の取組

コロナ禍で、親子でごみを集めるクリーンデーは中止となったが、あいさつ強化デーはPTA委員が園周辺に立ち、距離をとる、マスクを着用するなどの感染予防に配慮しながら学期ごとに1回実施した。日々の取組、そしてそのPTA委員の姿に啓発され、保護者が進んで挨拶する姿が見られた。

③自分たちの町を知り、世界遺産を大切にしようとする気持ちを育む取組

本園は、地域に平城宮跡、薬師寺、唐招提寺と3つの世界遺産があり、歴史的由緒ある地域に立地している。今年度の遠足は交通機関を利用することが出来なかったため、より地域を知る機会にと思い、遠足の行き先を平城宮跡とした。十分な時間の中、秋の自然を肌で感じながら、奈良の鹿に届けるためのドングリを地域の方と集めることが出来た。唐招提寺での園外保育では、事前にその場所に関する絵本を見たり、仏像の写真を見たりする等の環境づくりを行った。当日は境内で絵本に登場する『隅鬼』を探したり、お寺の方から仏様の話を聞かせていただいたりして、子どもたちがお寺の方に積極的に質問する姿がみられた。また、多くの地域の方に付き添って安全を見守っていただき、より地域の方と触れあい親しみを感じる機会となった。そして5歳児の子どもたちはその経験から、友達と想像力を働かせ、イメージを共有して『みあとのだいぼうけん』のお話を創りあげていった。その作品を「作品展」を通して保護者や地域の方に見ていただき、取り組む過程を伝えていくことで共感してくださり、子どもたちの満足感や達成感につながった。

④奈良鹿愛護会へドングリを寄付し、鹿を守る取組

冬場、餌のない奈良公園の鹿のために、平城宮跡でドングリを集めたり、家庭から持ってきたり、また地域の方もその取組に共感して集めてくださったりして、みんなで集めたドングリ(52.5㎏)を5歳児が鹿愛護会に届けた。愛護会の方から、バンビに触ると母鹿が世話をしなくなる話を聞かせていただき、奈良の鹿を身近に感じ、大切にしたいという子どもたちの気持ちにつながった。

来年度の活動計画

この状況が続くことが予想されるが、子ども自身が自分たちで、何ができ、どのようにするのかを考えられるように支援し 取組を行っていく。取組の一つには、地域の方、保護者と園庭に芝生を植える取組を計画している。園庭の緑化を推進し、その環境に自ら関わり遊ぶ中で身の回りの自然環境に愛着をもち大切にしようとする気持ちを育てていく。またESDの視点にたち、園・地域・家庭が連携して子どもたちの心が動き学びを深める活動を継続していきたい。