2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, その他の関連分野

本園は「身近な環境との関わりの中で、主体的に活動し、創造性豊かな子どもを育成する」を目標としてESDの視点にたち、子どもなりに、様々な身近にある環境に目を向け、自ら関わって自分たちにできることを考え、行動できる子どもの育成を目指し、継続して取り組んでいる。
具体的には、⑴子ども自ら創り出す力(主体性)⑵共に関わり育ちあう(協同性)⑶あきらめずにやり抜こうとする力(問題解決能力)⑷保護者や地域の教育力をいかす(連携力)を柱に以下の取組を行った。

①栽培・食育の取組

地域の方に野菜の植え方や育て方を教わり、自分たちで育てている。“リリコパーティー”(リリコはトマトの品種)の収穫祭では、5歳児が企画、準備し地域の方を招いて一緒に食べ、感謝の気持ちを伝え、給食の調理員さんにもお世話になり、いろいいろな人との繋がりや温かさを感じるこができた。

②『あいさつ強化デー・クリーンデー』の取組

学期毎に1回実施。PTA委員が園周辺に立ち、保護者と子どもたちに積極的に挨拶をし、人との繋がりを感じ、進んで挨拶する大切さを再確認している。また、通園途中に親子でごみを集め、自分たちで分別している。町をきれいしに、環境問題を自分たちの問題として考え、一人一人が環境保全に取り組めるよう、保護者の協力を得ながら行ってきた。

③奈良鹿愛護会へドングリを寄付し、鹿を守る取組

冬場、餌のない奈良公園の鹿のために、校区の平城宮跡でドングリを集めたり、家庭から持ってきたりして、全園児が集めたドングリを鹿愛護会に寄付している。愛護会の方から、鹿がごみを食べて病気になるという話を真剣な表情で聞いていた子どもたちは、自分たちにできる「ごみを出さないこと」を実践し鹿を守りたいと、鹿に対する思いが強くなった。

④自分たちの町を知り、世界遺産を大切にしようとする気持ちを育む取組

本園は世界遺産を含む歴史環境に恵まれた地域にある。年間を通して、遠足や園外保育を利用して東大寺や唐招提寺、薬師寺、平城宮跡などへ出かけている。地域の方も一緒に出掛けることもある。昔から大切に守られてきた話を聞いたり、実際に見たりして、家庭でも感じたこと、教えてもらったことを話す姿があることを保護者から聞いている。自分たちの住む町を知る機会となっている。

来年度の活動計画

家庭・地域との連携を図りながらESDの取組を継続していきたいと考えている。今年度の取組を継承する中で、子どもにとり、より豊かな経験となるように保育者間で課題と成果を共有し、さらに保育内容が充実したものとなるようにしていきたい。今年度、奈良公園の鹿の話を聞いて「ごみを出さないこと」に共感したことを踏まえ、②の取組の回数が減っているが、日頃から、ごみを出さないことへの意識が高まるように「環境問題」へ積極的に取り組んでいきたい。さらに、園庭の緑化(芝生やクローバ、ゴーヤなど)により、自然と触れ、冷房に頼らず戸外で元気に遊べる環境づくりを引き続き、進めていきたいと考える。