2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 食育, その他の関連分野

園は「身近な環境との関わりの中で、主体的に活動し、創造性豊かな子どもを育成する」を目標として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して、様々な身近にある環境に目を向け、自ら関わって自分たちにできることを考え、行動できる子どもの育成を目指し、継続して取り組んでいる。
➀栽培・食育の取組
年間を通じて地域の方に野菜の植え方や育て方を教わり、収穫した野菜は、家庭に持ち帰り、家庭で味わってもらった。「今まで苦手だったものが食べられた」等の感想も聞かせてもらい、自分たちで苗や種から育てたことで、興味や関心を持ち、より一層食への関心が高まると共に、食べ物を大切にしようとする心も育まれたように思われる。また、サツマイモは収穫後、園庭でやきいもパーティーを行った。地域の方に手伝っていただき、子ども達が芋を洗い、アルミホイルに包んで準備をした。また近隣の中学校や地域からもサツマイモを頂き「ほかほかで、甘くておいしい」と味わう中で、地域の方や学校の先生方に「焼き芋食べてもらいたいなあ」という声が子どもから聞かれた。地域との連携により地域の方々へ親しみをもち、感謝する気持ちが見られた。

⓶自分たちの町を知り、世界遺産を大切にしようとする気持ちを育む取組
本園は、地域に平城宮跡、薬師寺、唐招提寺と3つの世界遺産があり、歴史的由緒ある地域に立地している。唐招提寺での園外保育では、事前にその場所に関する絵本を見たり、仏像の写真を見たりする等の環境づくりを行うことで、当日は境内で絵本に登場する『隅鬼』を子ども達が進んで探したり、またお寺の方から仏様の話を聞かせていただき、子どもたちがお寺の方に積極的に質問したりする姿がみられた。また、地域の方に付き添って安全を見守っていただき、より地域の方と触れあい親しみを感じる機会となった。

⓷奈良鹿愛護会へドングリを寄付し、鹿を守る取組
冬場、餌が少なくなる奈良公園の鹿のために、鹿愛護会にドングリを届ける取組を行っている。今年も平城宮跡の園外保育でドングリを集めたり、家庭から持ってきたりと保護者も共に協力的な姿が見られた。鹿寄せを見た後、鹿園で愛護会の方から、ケガをした鹿のことや鹿についての話等を聞かせていただき、奈良の鹿を身近に感じ、大切にしたいという子どもたちの気持ちにつながった。

来年度の活動計画

引き続き次年度も、子ども自身が自分たちで、何ができ、どのようにするのかを考えられるように支援し取組を行っていく。取組の一つには、今年度はコロナ禍で実施できなかった地域の方、保護者と共に園庭に芝生を植える取組を計画している。園庭の緑化を推進し、その環境に自ら関わり遊ぶ中で身の回りの自然環境に愛着をもち大切にしようとする気持ちを育てていきたい。またESDの視点にたち、園・地域・家庭が連携して子どもたちの心が動き学びを深める活動を継続していきたいと考える。