2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 福祉

 本校は,「ふるさとの未来を託せる人を目ざしましょう」を活動テーマとして,ESDを地域貢献活動と捉え,ESDの実践を通して社会づくりの担い手として必要な能力や資質の育成を目標とした。

①「南稜美活動&梅田川フォーラム」に係わる活動

 今年度で2年目を迎える南稜美活動。持続可能な社会を見据え,積極的に適切な行動をとれる人材の育成を目ざして,学校から離れた地域の中で身近にできる活動を展開した。通学団ごとに分かれ,近所の公園や神社のゴミを拾ったり草取りをしたりするのに加え,本年度より校区を横断する梅田川の清掃にも取り組んだ。200人の生徒が一斉にゴミ拾いを行うと,たった1時間でおよそ300kgのゴミを回収することができた。ゴミの多くはペットボトルや空き缶で,軽い気持ちでポイ捨てすることがいかに環境を汚すかということに,参加した多くの生徒が気づいた。

 梅田川フォーラムでは,3年生が梅田川の水質調査や生物調査を行った。水質調査では,パックテストや透視度計を用いて水のきれいさを測定した。その結果,梅田川の水はややきたないという結果になった。生物調査では,ボラやハゼなどの魚に加え,干潟ではヤドカリやカニ,ウラギクやハマサジといった塩性湿地特有の貴重な生物を多く発見することができた。今後も継続的に梅田川の調査を続け,豊かな生態系を守っていきたい。

②「地域貢献ボランティア」に係わる活動

 地域からの要望に中学生が応える地域貢献ボランティアも今年で2年目を迎えた。生徒会組織の中に「ボランティアセンター」を立ち上げ,より生徒主体でボランティアができるようになった。ボランティアの内容としては,自治会主催のお祭りの手伝いや吹奏楽部の出張演奏会に加え,地域防災訓練での避難所運営サポートなどがあった。来るべき大震災に備え,「中学生は守られる側ではなく守る側である」を合言葉に,本番さながらの訓練ができたことは,地域に暮らす中学生として大変有意義な体験となった。

今年度は地域の要望に応えるだけでなく,自分たちで地域に貢献できることを考え,夏休みに生徒会主催で「ミナクル学習会」を行った。小学生を対象とし,中学生が宿題のサポートをしようという企画だが,参加した小学生より中学生の方が多いという結果になり,情報発信の難しさを痛感した。

③「くすなん会」に係わる学習

校区内にある「くすのき特別支援学校」の生徒と年間を通じて「くすなん会」と銘打った交流を行った。同じ中学生であるという共存の意識を高め,ともに成長していこうとする姿勢を高めることを目的に,本校生徒が「くすのき」へ出向く交流会と,「くすのき」の生徒が本校へ来校する交流会を設けた。二度の交流会を通じて,思いやりの心や自主性など,生徒たちの活躍や成長の様子を多く見ることができた。今後も同じ校区内であるという地の利を生かし,年々充実した活動の場を設定していきたい。

来年度の活動計画

 南稜美活動&梅田川フォーラムは年3回の実施を予定している。そのうちの1回は,地域の小学生や保護者の方にも参加を募り,地域の川を地域の人で守っていくという意識を高めていきたい。地域貢献ボランティアは,より多くの生徒が気軽に参加できるよう,申し込み方法や運営方法の見直しをしていく。特に,地域防災訓練については,総合的な学習とも関連させ,多くの生徒が自主的に参加できるようにしていきたい。くすなん会は,南稜中学校の生徒とくすのき特別支援学校の生徒が,障害のあるなしに関係なくともに成長していけるよう,内容の充実をはかっていきたい。