2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 食育

本校では,生徒の誓いに「自主自立の精神,協同奉仕の態度,確かな実践力,たくましさ」がある。それは本校の教育目標ともつながり,生徒の目標でもある。そこで,本校が取り組むESDを「持続可能な社会づくりの担い手を育む教育」と捉え,その実践を3年間のフィールドワーク(課題追究活動,以後FWという)を主体とした活動を積み上げている。現代的,身の回りの生活にかかわる課題を追究することを通して「各教科や領域で学んだことを総合的に生かす」「課題追究の成果を自らの生活に生かす」「生涯にわたって学び続ける態度を育む」ことをねらいとしている。本校の宿泊行事を現地でのFWとして,その事前事後の活動も含め総合的な学習の時間として取り組んでいる。その中から2,3年生のFWでの取組の2つを紹介する。

①小豆島の生活(2年生)

小豆島でのFWは48年間継続しており,小豆島で新たに取り組んでいる開発分野などを課題に設定できるように工夫している。今年度の課題追究のテーマには「環境・歴史・福祉・伝承・文化・産業(観光・特産品)・平和」などである。個人の課題に基づいて,事前調査で課題を作る→訪問先での資料収集,聞き取り調査を中心とした現地調査を行う(今年度はオリーブ園,役場,醤油関連会社等の15か所程度で実施)→課題に対する自分の考えをまとめる→成果発表会,という流れでFWを行う。最後に課題追究の経過と自分の考えをまとめた報告書を冊子として作成し,現地調査でお世話になった方にも送付している。

② 「広島の生活」(3年生)

広島でのFWは,初日に「平和学習」として被爆体験講話,平和公園資料館見学,折り鶴を捧げる会,原爆ドームの対岸親水テラスでの学年合唱を行う。2日目にFWとして,個人の課題に基づいて,訪問先での資料収集,聞き取り調査を中心とした現地調査を行う(今年度は市役所,放射線研究所,筆の里等13か所)。3年間取り組んできたFWの集大成の場として,「広島の生活」の課題追究の成果を,参観者に分かりやすく伝えることを意識して10会場にわかれ,電子黒板や実物投影機などを使用して発表する。活動の最後に,課題追究の経過と自分の考えをまとめた報告書を冊子として作成する。現地調査でお世話になった方にも送付している。保護者からも生徒の自主的な学びや表現力の育成につながり,学んだことが自分の今後の生き方,考え方に大きく影響を与えていると大きく評価されている。

来年度の活動計画

 平成31年度も各学年でのFWを活動の中心に据えて課題追究学習を継続していく。現在も行っている現地調査での各団体との交流の充実を生かし、学びの内容を教科の授業でもさらに横断的に係わりながら活用していく。また、FWの個人課題に関しては,毎年新たな分野の情報収集を大切にし、現代的な課題としての課題設定の工夫をしていきたいと考える。今後はさらに、1年生で行う社会人の話を聞く会もキャリア教育の一環として関連づけ、持続可能な社会づくりの担い手につながる教育にも結びつけた活動としていきたい。