2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

平和, 人権, 減災・防災, 食育

 本校は、目指す生徒像を「新たな世界を創り出す子供」とし、ものごとの意味や本質を問い、納得解・最適解を求め続ける力を育むことを重視している。変化の激しい社会において、価値観の相違や利害の対立がもつ意味を問い直したり、起こっている問題の本質は何かを見極めたりする力が必要であり、このような力をESDを通して育成することを目標としている。
具体的には、文部科学省の研究開発指定を受けて設置した新領域「いのち」の中で、「生命」とその基盤となる「安全」を柱に、①地域の水害や震災等に関する防災学習、②地元長岡市と唯一地上戦が行われた沖縄を題材とした平和学習、③「生命」そのものについての学習を行った。
① 地域の水害や震災等に関する防災学習
第1学年では防災学習を通して主に「安全」について学んだ。どのようにすれば災害による生命を脅かすリスクを軽減できるか、ウェブサイトや震災関連施設の見学や外部講師による講話などを通して考えた。「安全」を確保することが「生命」を守ることにつながることを学習した。
② 地元長岡と唯一地上戦が行われた沖縄を題材とした平和学習
 当校では第2学年次に修学旅行で沖縄に行く。また地元長岡は長岡空襲を起源とした長岡花火でも有名である。そこで、第2学年で平和について学習し、第3学年で学んだ平和に関する知見をどのように将来につないでいくかについて学習した。
 第2学年では長岡空襲と沖縄戦について外部講師による講話や調べ学習とグループでの話し合い活動などを通して平和な世界についての思いを高めた。
 第3学年では前年度の学習や修学旅行で実際に沖縄で見聞きしてきたことをもとに平和への思いを将来に語り継ぐためにどうすればよいか考えた。小学校・幼稚園と校舎がつながっているという当校の特色を生かし小学生や幼稚園児に伝えた。
③「生命」そのものについての学習
 「生命」とは何か考えるために生命をめぐる様々な立場の方を4名パネリストとして招き、全校生徒参加型のパネルディスカッションを実施した。パネリストの方々の考えだけでなく、生徒にも質問を投げかけてもらいながら議論を進めた。生徒にとって「生命」とは何かを考える機会となった。
   第2学年では「生命」の連続性や相互性を捉えるために食肉センターの見学を行った。生徒は五感を働かせながら家畜が加工される場面を見たり、職員の方の話を聞いたりすることで「生命」を食べるということはどういうことなのか考え、「生命」についての理解を深めた。

来年度の活動計画

 新領域「いのち」の学習で「生命」とその基盤となる「安全」についての学習を深める。現在は「生命」か「安全」かのどちらか一方を学ぶ構成になっている単元が多いため、「生命」と「安全」をつなぐ単元構成の開発をしていく。また、生徒がより自分事として学習内容に対して切実感をもつことができるような指導の工夫を研究していく。以上の視点から単元構成や年間指導計画を見直す。年間を通じて当該学年の生徒の問題意識がつながるよう配慮し、中学校3年間を見通した年間指導計画を作成していく。