2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等

 本校は、「社会に奉仕するための資質を養う」を教育目標の1つに掲げている。その目標に基づいた教育活動を行う上で、ESD(持続可能な開発のための教育)を重要な学びと考えている。  

 ESDを本校における課題解決型探究学習の核と捉え、地域や国際社会の課題を自分のこととして考え、ESDの実践を行う中で、自分で考え、周りと協働し、主体的に行動することを通して、課題を解決に導く力を育成し、広く社会に奉仕する担い手を育むことを目標としている。

2019年度は、「地域や社会とのかかわり・人とのつながり」を柱に、①地域の課題解決に係わる活動、②国際交流・異文化理解に係わる学習、③伝統文化に係わる学習を行った。

生徒会の組織に「ユネスコスクール特別委員会」が発足し、「SDGsカードゲーム」等に取り組み、SDGsへの理解を深めながら、自分たちができる活動に取り組んでいる。

 

(1)地域の課題解決に係わる活動

①地域を知る活動の実施

 地域を歩き、地域の方から話を聴くことで、地域の歴史・伝統・状況等を知り、文化祭で発表した。後期生徒会よりユネスコスクール特別委員会が発足し、今後は、特別委員会を中心に、地域や社会に貢献するために、自分たちは何ができるのかを考え実践する活動を行っていきたい。

 

②フードドライブの実施

 文化祭において、3年生のクラス企画としてフードドライブを実施した。生徒、保護者、近隣の住民などから寄贈していただき、フードバンク信州へ届ける活動を行った。まだ安全に食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食料を集め、支援を必要としている方に提供するフードバンク活動に参加することで、「持続可能な生産と消費」、「貧困」、「人権・平和」等を考えるとともに、共生社会の必要性についても認識することができた。

 

(2)地域と連携した活動

①スポーツレストラン

 スポーツレストランとは、3年生の選択体育の受講生徒が店員となり、様々なニュースポーツをメニューとして提供し、地域の皆様にスポーツを楽しんでいただけるように公開している授業。今年度は毎回10~20人の高齢者、女性など、いろいろな年齢層の方々が集まり、生徒とともにニュースポーツを行った。メニューはソフトバレーボール・ボーリング・ペタンク・ターゲットバードゴルフ・ピックルボール・バドミントン・卓球などである。

 

②地域の方々と一緒に行う防災訓練

 全校で防災訓練を実施するとともに、避難所となっている本校周辺に住む方々にも避難訓練に参加していただき、有事の際の行動の参考にしていただいた。

 

③ボランティア活動

 201910月の台風19号被害に際し、個人、部活動等で生徒や職員がボランティア活動に参加した。被害を自分のこととして捉え、何か自分にできることはないかと考えボランティアに参加した生徒を誇りに思う。

 

落葉や積雪の際には、生徒会や運動系クラブの生徒が中心となって、学校周辺の落ち葉履きや雪かきを行い、地域に貢献する活動を行っている。

 開かれた学校づくりを行うとともに、地域について学び、地域が必要としていることを考え、行動に移すことで、社会に奉仕する心の育成につながっている。

 

(3)国際交流・異文化理解に係わる学習

・長野マラソン国際交流ブースボランティア

 国際教養科1年生全員が、長野県観光部国際課のスタッフの皆さんとともに、ブース運営のボランティアに参加した。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ベトナム、中国、韓国のブースで、各国のゲームや作業体験の手伝いを行った。来場者の子ども達や、長野県国際化協会のサンタ・プロジェクトの外国籍児童就学支援募金活動の参加など、多くの方々と交流した。

 

(4)伝統文化に係わる学習

・信州学、SDGsに関する課題解決型探究学習

 信州(長野県)の歴史、文化、伝統、地域のすがたや課題を再発見し、SDGsと関連させながら、さらに深く追及し、自らの知識で何ができるのか、地域とどう関わっていくのかを学ぶ活動を実践し発表会を行う。発表を行った1グループは、信州ESDコンソーシアム成果発表会において、ユネスコスクール特別委員会とともにプレゼンテーションを行う。

来年度の活動計画

 2018年3月、当時の本校2年生が第8回ユネスコスクール国際交流プログラムに参加させていただき、その成果発表・報告会を全校生徒が聞くことで、生徒のユネスコスクール、そして、SDGsへの認識と関心が高まり、自分たちに何ができるかを考え行動を始めている。

 ユネスコスクール認定4年目となる2020年度は、生徒会のユネスコスクール特別委員会が、地域やNPO等と連携し、SDGsの実現に向けた具体的活動をユネスコスクールとして実践できるようにしたい。

 学校としても、ユネスコスクール委員会を中心に、ユネスコスクール特別委員会の活動を支援するとともに、国際教養科を中心とした国際交流事業や、校内ですでに実施している様々な活動が、SDGsの実現に向けたESDであることを認識し、校内の様々な活動を有機的に結び付け、地域や様々な組織と連携して学校全体として組織的にESDの活動を実践していくことが今年度の活動計画である。