2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等

本校は、「社会に奉仕するための資質を養う」を教育目標の1つに掲げている。その目標に基づいた教育活動を行う上で、ESD(持続可能な開発のための教育)を重要な学びと考えている。

ESDを本校における課題解決型探究学習の核と捉え、地域や国際社会の課題を自分のこととして考え、ESDの実践を行う中で、自分で考え、周りと協働し、主体的に行動することを通して、課題を解決に導く力を育成し、広く社会に奉仕する担い手を育むことを目標としている。

2020年度は、2019年度に引き続き「地域や社会とのかかわり・人とのつながり」を柱に、①地域の課題解決に係わる活動、②国際交流・異文化理解に係わる学習、③伝統文化に係わる学習を行う計画であったが、新年度間もなく休校が続き、その後も感染症対策のため特に交流面で制約があったため、リモートや校内での学習が中心になってしまったが、可能な範囲で工夫を凝らし、「天の河プロジェクト」でフードドライブ、ワールドギフト、ライトアップ等の取り組みを行うことができた。

地域やNPO等と連携し、SDGsの実現に向けた具体的行動を「キャンパスSDGs」の取り組みとして広げていこうとしている。生徒会の「ユネスコスクール特別委員会」が発足し、SDGsへの理解を深めながら、全校の意識を高めるべく啓発活動にも取り組んでいる。

 

(1)地域の課題解決に係わる活動

①地域を知る活動の実施

地域の歴史・伝統・状況等を調べ、地域の課題を知り、自分たちができることを探るために、1年生全員が「SDGsde地方創生」カードゲームに取り組んだ。今後地域を歩き、関係者へのインタビュー等を行って、地域や社会に貢献するために提案ができるよう、考え実践する活動を行っていくところである。

 

②文化祭代替行事「天の河プロジェクト」

地域や社会に対して発信する企画として、「校舎のライトアップ」「フードドライブ」「ワールドギフト」を企画した。「校舎のライトアップ」は、昨年記録的な豪雨災害に見舞われた被災者や、新型コロナウィルス感染症拡大防止の最前線で奮闘している医療従事者にエールを送りたいとの思いから、高台に位置する本校の校舎をライトアップし、「結」の文字を浮かび上がらせ励ましの気持ちを表明した。「フードドライブ」はユネスコスクール特別委員会が中心となり、生徒、保護者、近隣の住民などから食品を寄贈していただき、フードバンク信州へ届ける活動を行った。まだ安全に食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食料を集め、支援を必要としている方に提供するフードバンク活動に参加することで、「持続可能な生産と消費」、「貧困」、「人権・平和」等を考えるとともに、共生社会の必要性についても認識することができた。「ワールドギフト」は2年生が中心となり、ランドセルや洋服など各家庭から使わなくなったもの、譲れるものを集め、再利用できるかどうかを確認した上でワールドギフト主催団体に送った。また、その場で買ってもらい、お金に換えてワクチン購入費とすることで、途上国の子どもの境遇を考えるきっかけになるとともに、身の回りがこんなにもいらないものであふれていることを実感し、課題解決に向けて学びを深めていった。

 

(2)地域と連携した活動

①スポーツレストラン

スポーツレストランとは、3年生の選択体育の受講生徒が店員となり、様々なニュースポーツをメニューとして提供し、地域の皆様にスポーツを楽しんでいただけるように公開している授業である。今年度は感染症対策のため、校内に招くことが出来なかったが、一緒に取り組める日のためにニュースポーツやパラスポーツを中心にメニューを考え準備をした。

 

②地域の方々と一緒に行う防災訓練

全校で防災訓練を実施するとともに、避難所となっている本校周辺に住む方々にも避難訓練に参加していただく予定であったが、密を避けるために実施することが出来なかった。来年は実施する予定である。

 

③ボランティア活動

例年積極的に地域に出てボランティア活動を行っているが、今年度は新型コロナウィルス感染症のため地域に出られなかったため、書き損じはがきを集めたり、募金活動などの活動を行った。

落葉や積雪の際には、生徒会や運動系クラブの生徒が中心となって、学校周辺の落ち葉履きや雪かきを行い、地域に貢献する活動を行っている。

開かれた学校づくりを行うとともに、地域について学び、地域が必要としていることを考え、行動に移すことで、社会に奉仕する心の育成につながっている。

 

(3)国際交流・異文化理解に係わる学習

①ワールドフェスタ国際交流ブースボランティア

国際教養科1年生全員が、長野県観光部国際課のスタッフの皆さんとともに、ブース運営のボランティアに参加し、各国のゲームや作業体験の手伝いを行った。来場者の子ども達など、多くの方々と交流した。

 

②国際教養科1学年を対象に善光寺ガイド研修を実施した。長野県通訳ガイドネット会員の方2名を招き、実際に自分たちでガイドする時のことをイメージしながら、熱心に取り組んだ。身近な善光寺について新たな発見があったり、ガイドする際に気を付けるべきことを学んだりすることができた。

また、新たな試みとして中国の天津外国語大学附属外国語学校で日本語を学んでいる生徒たちとの交流(リモート)を実施した。大人数での交流ではあったが、日本文化に興味を持つ生徒も多く、活発にやり取りが行われた。

 

(4)伝統文化に係わる学習

・1学年の探求学習として、信州(長野県)の歴史、文化、伝統、地域のすがたや課題を再発見し、SDGsと関連させながら、さらに深く追及し、自らの知識で何ができるのか、地域とどう関わっていくのかを学ぶ活動として、信州学のレポート・動画を作成し、信州の魅力や課題についての理解を深めることに取り組んだ。その際「メンターリスト」を作成し、全職員が助言可能な分野を公表することで、生徒が質問しやすい環境となるようにした。

来年度の活動計画

ユネスコスクール認定5年目となる2021年度は、生徒会のユネスコスクール特別委員会が中心となって全校生徒に働きかけ、これまでの取組みを発展させ、地域やNPO等と連携し、SDGsの実現に向けた具体的活動をユネスコスクールとして実践し、広い視野で主体的に課題に向かえる学びを実現したい。

国際教養科を中心とした国際交流事業や、校内ですでに実施している様々な活動が、SDGsの実現に向けたESDであることを認識し、校内の様々な活動を有機的に結び付け、地域や様々な組織と連携して学校全体として組織的にESDの活動を実践していくことを計画している。