2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 持続可能な生産と消費

本校は、文部科学省からスーパープロフェッショナル・ハイスクール(SPH)の指定を令和元年度まで受け、「国際理解と社会貢献」をテーマとして活動してきた。令和2年度からは、そのSPHの取組を継承してESDを生徒個々人の成長を通じて地域社会へ貢献する教育活動と捉え、ESDの実践をとおしてコミュニケーション能力や主体的に社会へ貢献する態度の育成を目標に活動している。

1 3学年『英語探究』の授業において

当該学年は1学年の英語会話の授業において地歴公民科の協力の下、SDGsに関するプレゼンテーション活動を実施しており、2学年で異文化理解の授業において各ゴールのワークショップを行い、個別のゴールに対する理解を深めている。そのため、本学年ではSDGsに対する俯瞰的視点を得られるよう”Imaginary Country”(仮想国)のプレゼンテーション活動を英語で実施した。

概要としては、3人1組でグループとなり、各グループで仮想の国を創ることとした。共通ルールとして、1)各国はGeographical information(地理的情報), Political & Cultural information(政治・文化的情報)、Economical information(経済的情報)の3つを含むこと、2)各国はSDGsのGoal3つに関連する国内の問題・課題(以下、各国課題)を考え、それらを解決するための国の取り組みを示すこと、を設定した。

各グループが自国の骨子を固めた後、日本を例に上記の3つの情報を元に分類する課題を行った。これにより国を分析し、特徴や情報を整理する視点を身に付けるとともに、日本を各要素から客観視できるようになった。

今までは多くの場合、生徒達は現在生じている問題や課題がゴールのどの分類になるのかを考えることが多かった。今回の発表を通して、生徒達は自分の仮想国の地理的、文化的、経済的な情報と各国課題を考えていく中で、地政学的な

状況、因習、産業構造と各国の課題が相互に関連していることを意識することができた。各国課題の解決方法についても自国や他国での取組を参考にしているものもあるものの、自分の言葉でしっかりと語られているものが多かった。

このプレゼンテーション以降、英語の英作文等で「日本の中でどのゴールを最も強く意識すべきか」等の課題を与えた際も、各国の状況や今後の取組について今までより明確な視点が解答に表われるようになった。

 

2 英語部 ユネスコ世界寺子屋運動への参加

日本ユネスコ協会は、1989年から「ユネスコ世界寺子屋運動」を行っており、本校の生徒もこの活動の趣旨に賛同している。

昨年度は8月に、日本ユネスコ協会主催「カンボジア・オンライン・スタディ・ツアー」に英語部9名と2・3年生の有志4名が参加した。北海道から唯一本校が選出され、他に選出された14校の生徒と共に、現地カンボジアの方々とZoomで交流した。

ユネスコ世界寺子屋運動に係るチャリティー運動の一環として、書き損じはがきの回収を例年行っており、今年度の英語部4名の生徒は、昨年度の11枚を上回る枚数を回収できるよう、ポスター制作し、校内での運動周知に力を入れている。なお、この運動に参加するにあたり、事前学習としてユネスコ協会のHPの動画を視聴し、カンボジアの子どもたちの学習の様子や寺子屋の必要性などを学んだ。

 

3 2学年『マーケティング』での取組

商業科専門科目『マーケティング』の授業の中で、顧客満足を高める商品アイディアを考える学習を行った。その中で、本校2年生が『レバーストップ』という、蛇口のレバーを調節し、勢いよく水が出ないようにする器具のアイディアを考えた。さらに、この器具を使うことで節水できることから、SDGsの目標の「6.安全な水とトイレを世界中に」「14.海の豊かさを守ろう」への貢献、既存製品との比較、市場性や将来性まで考察した。

その探究の成果を、大阪商科大学主催『第21回全国高等学校ビジネスアイディア甲子園』に応募したところ、応募総数6,619作品(応募校数130校)の中から、堂々の準グランプリを受賞することができた。

来年度の活動計画

来年度も引き続き、商業高校として、商業や異文化理解活動を取り入れた特色ある教育活動を、学校一丸となり実施していく予定である。具体的には、授業においてSDGsの学びを深め、様々な課題に関するリサーチを行い、発表活動を行うこと、そしてボランティア活動に授業や生徒会活動として参加・協力する。コロナ禍で中断している、姉妹都市ポートランドの高校との交流事業も実施する予定である。今後も、ホールスクールアプローチとして、ボランティア活動を含むESD活動を展開する予定である。