2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校には、外国籍の児童もしくは、保護者が外国人である家庭が多い。さらに、本校区は福岡市のランドマーク的な地域であり、外国人観光客も多い。

 そのような特性を生かして、本校では「世界を視野に未来に挑む」を活動テーマとし、国際感覚豊かな子どもの育成を目指している。そこで「国際感覚豊かな子どもの育成」を目指して、総合学習の時間を中心にESDの学習を進めているところである。

 具体的には、国際理解に係わる活動(3・5・6年)、環境問題に係わる活動(4・5年)、伝統文化に係わる活動(1・2・5・6年)などの学習を行った。以下、いくつかの実践例を紹介する。さらに、ESD実践のために本年度開発した教材もある。その内いくつかを紹介する

【国際理解に係わる活動】

内容については、小学校段階であることを踏まえ、まずは身近な国々の良さを調べ、お互いの国を認め合う、ということに重点を置いた学習内容となっている。

 ~3年「とびだそう、アジアの国々へ」~

 社会科の発展として、アジアの国々の食生活や文化について調べていく。さらに、校区にある福岡市博物館などを活用して学習を深めていく。

 

【環境問題に関わる活動】

~4年「百道浜環境守り隊」~(地域資源:公民館)

社会科の「水」や「ごみ」の学習の発展として、校区の環境調べや様々な環境を守る取り組みについて調べたりしている。

【伝統文化に係わる活動】

 SDGsには自国文化についての目標はないが、自分たちの国の人々や文化を尊重していくことが、世界の人々や文化を尊重していくために重要であると考えるので、本校ではユネスコスクールの学習として位置付けている。

~6年「能・狂言体験」~(地域資源:公民館長・大濠能楽堂)

 重要無形文化財保持者の白坂保行氏、大濠能楽堂の野村万禄氏などの講師に来てもらい、国語で学習した狂言「柿山伏」などを鑑賞する。

~1・5年「百道浜相撲道場」~(地域資源:校区自治会・大相撲春日野部屋)

大相撲九州場所終了後に、春日野部屋の竹縄親方と力士2名に来てもらい、そこで子ども達や教師と相撲をとったりしている。

 【今年度新たに取り入れた学習】

 ~6年「マイロゴ・プロジェクト」~

近隣にあるデザイン会社、「YOU・1 DESIGN」のデザイナーを招聘して行った実践である。自分自身の良さや個性について考え、世界に一つだけの自分のロゴマークをつくることを通して、それぞれの良さや個性について認め合う学習である。 これは、SDGsの17の目標のうち、「平和と公正をすべての人に」に、つながる内容である。

来年度の活動計画

まずは今年度中に学年・学期ごとに、ESDの学習で使用したワークシート・資料・学習の流れなどをデータ化して保存しておき、新年度もスムーズに学習が進めていけるように整備していく。そして新年度すぐにESD部会を開き、学校としての「育てたい資質や能力」系統性を構築していく。 

具体的な活動計画については、今年度の学習内容をより深化・徹底させていくことになる。

その中でも、地域の方々が創り上げてきた夏祭りを2年の生活科「昔遊び」と関連させたり、地域にあるインターナショナルスクールと本校とで、子ども同士の文化交流を行うことを3年の社会科「まちたんけん」と関連させたりするなど、今年度産まれた様々なアイデアを、ひとつでも多く具現化していければと考えている。