2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費
※ 旧広島県立三次高等学校の活動報告
本校は,平成30年度に新たに広島県立三次中学校が設置され,平成31年度から併設型中高一貫教育校として開校することとなっています。そのことを踏まえて,教育方針,教育目標,育てたい生徒像を見直し,次のように設定しました。
〔教育方針〕
「県北の雄」として,真に文武両道の精神溌剌たる校風を継承発展させるとともに,成熟した未来社会を形成する人材の育成を先進的に行う
〔教育目標及び育てたい生徒像〕
「知」・「徳」・「体」・「志」・「美」の調和のとれた人格を形成し,地域から信頼され敬愛される学校
「知」 知性,探究心,創造性に溢れ,主体的に学ぶ人物を育成する学校
「徳」 人間の多様性を尊重し,真理と正義を愛する徳性の高い人物を育成する学校
「体」 心身ともに健康にして,忍耐力のある,逞しい人物を育成する学校
「志」 地球規模の視野で,他者と協働して人類の発展に貢献しようとする高い志をもつ,挑戦心溢れる人物を育成する学校
「美」 伝統ある本校の生徒であることに誇りをもち,美しい言葉・姿勢を備えた,情操豊かな人物を育成する学校
※ 育てたい生徒像は,それぞれ「を育成する学校」を除く。
上記の「育てたい生徒像」のうち,ユネスコスクールとしては特に,「徳」「志」「美」を重視して取組を進めました。
1 国際交流に係る活動
国際交流に係る事前研修,訪問,受入れ,実施後の発表による校内外への還元活動を通じて,異文化理解だけではなく自国文化への理解も深まり,生徒の視野が広がっています。
(1)台湾の高級中學との交流
平成22年度から,台湾の國立新竹高級中學(姉妹校)及び國立台南第一女子高級中學と交流を行っており,両校を修学旅行で隔年で訪問しています。
今年度は12月に國立台南第一女子高級中學を訪問し,生徒同士が交流を深めました。
また,5月には國立新竹高級中學の一日訪問,7月には同校の短期留学生を2週間受け入れるとともに,今年度末には本校から國立新竹高級中學へ1名の短期留学生を派遣する予定です。
(2)海外インターンシップ研修の派遣及び受入れ
毎年約10名の希望者が本校での研修を経て,海外でのホームステイや現地高等教育機関,企業での就労見学を含むインターンシップ活動に参加しています。今年度末には,ニューヨーク州のハービー校へ6名の生徒の派遣を予定しています。
また,6月には,ハービー校からの派遣された生徒13名を受け入れ,本校生徒宅にホームステイをしました。
(3)長期留学生の受け入れ
4月から10か月間,フィンランドから長期留学生を受入れ,授業や部活動,そして学校行事を通じて交流を深めました。
2 地域の伝統文化,文化伝承に係る活動
(1)第11回 三次高校全国短歌大会 実施
アララギ派の歌人として近代短歌の礎を確立した偉大な歌人であり,本校卒業生でもある中村憲吉の功績を讃え,三次高校全国短歌大会を毎年実施しています。全国の高校生の瑞々しい感性から紡がれる短歌を集め,優秀作品を表彰することを目的として始まり,第11回を数えることになりました。昨年度の2月には10周年記念大会を全て生徒の主体で運営させることを通して,生徒の自主性,教員のコーチング能力を高め,それが今年度の本校のあらゆる取組に活かされています。
(2)地域課題探究活動(総合的な学習の時間)1~2学年
「地域課題探究活動」は,広島版「学びの変革」アクション・プランに基づいた,課題発見・解決学習プロジェクトの一つです。この活動では,新しい価値を生み出すため,仲間と協働して三次市における課題を発見し,課題の解決を目指しました。この活動を通して,これからの社会で活躍するために必要な資質・能力(例えば課題発見・解決能力,創造力,コミュニケーション能力等)を身に付けています。
今年度は,まず三次市役所等と連携し,三次市の諸分野の現状と課題についてそれぞれの担当職員から講話を聞き,知識を深めました。その後,グループで三次市が抱える課題を解決していく方法を各グループ(「①ひとづくり」「②くらしづくり」「③仕事づくり」「④環境づくり」「⑤しくみづくり」)で考え,それぞれの解決策を,三次市議会議員20名を前に,ポスター発表をしました。さらに,生徒代表が三次市長を訪問し,意見交換会に参加しました。
3 平和に係る活動
去る11月30日(金),H29年12月ICANのノーベル平和賞授賞式で受賞講演を行ったサーロー節子さんと「特別交流会」を実施しました。
(1)サーロー節子さんの紹介
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)と行動を共にし,国連の核兵器禁止条約交渉会議で被爆者として演説した。平成29年12月のノーベル平和賞授賞式では,ICAN事務局長のベアトリス・フィンとともに記念のメダルと賞状を受け取り,受賞講演を行った。広島市のひろしま平和大使も務める。カナダ・トロント在住。
(2)来校に至る経緯
本年2月,英語授業の一環で,受賞講演に対する感想を書いた手紙(92通)をカナダに送付したのがきっかけで交流が始まり,この度母校広島女学院大学の招聘で帰国されるのを機に,本校への訪問が実現することになった。
(3)生徒の感想(サーローさんへのメッセージ)
「先日は三次高校に来て頂きましてありがとうございました。今回,サーロー節子さんとの交流会を通して,人生で二度とない貴重な体験をすることができ,言葉には表現できないくらい感動しました。
サーローさんとの対話を通して,原爆や戦争について,たくさんのことを学ぶことができました。また,戦争の厳しさ,被爆者の方々の体験を次世代に伝えることの重要性,そしてこれから国際社会とどう接していくべきか,など様々なことを教えて頂き,私達のあるべき姿を再確認することができました。次世代に引き継ぎ,戦争や核兵器をなくすための行動を取るという私の役割を果たしていこうと決意しました。
小学生の頃から毎年原爆や戦争について学んできましたがが,高3の最後に,今までで最高の体験をすることができました。この度は三次高校に来校して下さり本当にありがとうございました。」
来年度の活動計画
次のような取組を例年にならって実施する予定です。
1 国際交流に係る活動
(1)台湾の高級中學との交流
5月 國立新竹高級中學の一日訪問受け入れ
7月 國立新竹高級中學の短期留学生受け入れ
12月 國立新竹高級中學訪問(修学旅行)
3月 國立新竹高級中學短期留学生派遣
(2)海外インターンシップ研修の派遣及び受入れ
6月 米国ソーテル日本学院 インターンシップ研修受け入れ
3月 米国ハービー校 インターンシップ研修派遣
2 地域の伝統文化,文化伝承に係る活動
(1)第12回 三次高校全国短歌大会 実施
(2)地域課題探究活動(総合的な探究・学習の時間)1~2学年