2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 平和, 福祉, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等

本校は、「志を持ち、自ら考え行動できる生徒の育成」を学校目標として掲げ、ESDを地域に開かれた学校の重要な柱と捉え、ESDの実践を通して、「持続可能な社会をつくる価値観と行動力、人間性を持つ生徒の育成」をすることを推進の目標とした。

例年、福祉教育、世界遺産学習を柱に、①シトラスリボンプロジェクト②大牟田特別支援学校との交流大きな授業、③玉川の自然と歴史ロビー展④世界遺産学習⑤まちづくりオンライン学習⑥オンライン防災学習⑦絵手紙プロジェクト等を行っているが、コロナ禍で大幅な修正がなされた。なお、12月の国際人権デーに向けた取組としても意識している。

①  シトラスリボンプロジェクト【SDGs3】

生徒会の発案で、「シトラスリボンプロジェクト」に取り組んでいる。このプロジェクトは、誰もが新型コロナウイルス感染症に感染するリスクがある中、たとえ感染しても、地域で笑顔の暮らしを取り戻せることの大切さを伝え、感染された方や医療従事者を「おかえり!」「ただいま!」の気持ちで受け入れ、思いやりがあり暮らしやすい社会を目指すプロジェクトである。「シトラスリボン」の3つの輪は、「地域」「家庭」「職場(または学校)」を表現している。この取組では、生徒会が中心となって進めており、シトラススリボンをつくっています。できたリボンは、関係各位へ感謝の意をこめて、1月以降に贈呈する予定である。なお、令和3年1月1日号の「広報おおむた」では、巻頭で宮原中学校の特集記事があり、この活動が取り上げられている。令和2年は、コロナウイルスで、様々なことが変わった1年であり、まだまだ、コロナ禍は続くが、1日も早く、コロナ以前の世界に戻ることを祈念している。

②   大牟田特別支援学校との交流【SDGs3】

本校と大牟田特別支援学校は、前身の学校時代から、約40年にわたる交流の歴史がありる。毎年、1年生が、七夕交流やクリスマス交流などお互いの学校を行き来して交流を行っている。しかし、今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況をふまえて交流活動ができない状況にあり、クリスマスカードを作成し、相互にやり取りをすることとした。各教室で、それぞれが考えたデザインをもとに、クリスマスカードを作成し、お互いに送り合った。

③  玉川校区の自然と歴史ロビー展【SDGs11】

本校には、3つの小学校を卒業した子どもたちが入学している。そのうちのひとつ、玉川校区では、地域の方々が、「玉川校区ESD/SDGs活動委員会」を立ち上げられて、様々な活動をされている。このたび、校区内の勝立地区公民館において、「玉川校区の自然と歴史ロビー展」を開催され、会場には、玉川校区の歴史や自然に関わる写真や貴重な物品を展示された。宮原中学校からも、本校のESDの取組について紹介する展示を行い、ESDの普及につとめた。

④  世界遺産学習【SDGs11】

世界遺産学習においては、「世界遺産についての学習」「世界遺産のための学習」「世界遺産を通した学習」の3つのアプローチからSDGsと世界遺産学習の融和を図っている。また、世界遺産学習で育む資質・能力として①大牟田の世界遺産が伝えているメッセージを後世に伝えていく役割②世界遺産を通して、持続不可能な課題が国内外に存在することを認識し、その解決に向けて地域から世界へ発信・行動する学びに向かう人間性、③生涯にわたって様々な課題を探究しようとする思考力・判断力・表現力を掲げている。今年度は、プランターに絵を描く活動を行った。

⑤ まちづくりオンライン学習【SDGs11】

2年生と3年生は、北海道の夕張市とオンラインでつなぎ授業を行った。2年生の授業では、まちづくりの観点から、3年生は地方自治の観点から授業を行った。ゲストティーチャーの夕張市職員の方からは、「人と人とのつながり」「自分ごととしてまちづくりを考えること」などについて示唆をいただき、生徒からは、宮原坑を活かしたまちづくりのデザインについて、「宮原坑×キャンプ」「宮原坑×VR」などのアイディアが出ていた。中学生の柔らかい発想で、大牟田市の持続可能なまちづくりについて、今後も考えていきたい。

⑥ オンライン防災学習【SDGs11】

2年生は、SDGsについての学習の一環として、防災に関する学びを行った。東日本大震災で大きな被害を受けられた宮城県南三陸町観光協会の方とオンラインで結び、被災の状況について交流を行った。被災当時、2年生だった方から震災の話をうかがい、子どもたちも様々なことを考えたようです。今年の7月6日には、大牟田も未曽有の豪雨の被害を受け、この経験をもとに、子どもたちは、防災について自分たちにできることを、もう一度、捉えなおすことができた。

⑦絵手紙プロジェクト【SDGs3】

今年度は、コロナ禍で様々なイベント等が中止された。学校の体験活動も実施できない状況が続いている。そのような状況のもと、天の原校区社会福祉協議会と勝立地区公民館と連携して、本校美術部の生徒が絵手紙を作成した。例年、10月には、「天の原福祉のつどい」が開かれているが、今年は実施が見送られた。そこで、天の原校区社会福祉協議会では、校区内に住んでおられる高齢者の方々に絵手紙をプレゼントする取組が行われることとなり、宮原中学校美術部もこの取組に参加。子どもたちが、温かいメッセージを添えて心あたたまる絵を描いた。子どもたちが描いた作品は、民生委員の方々によって、高齢者の皆様に届けられた。コロナ禍でもできる地域への貢献活動に宮原中学校は取り組んでいる。

⑧オンライン絵本交流【SDGs3】

倉永小学校は、甘木中校区にある小学校で、読書活動が盛んな学校である。今回、オンラインで本校と交流活動を行った。内容は郷土大牟田出身の絵詞作家内田麟太郎さんの「おれたちともだち」の朗読である。本校の図書委員が中心となり、自分たちでキャスティングを行い、「おれたち ともだち」の朗読CDを作成した。このCDを倉永小学校に送り、オンラインで絵本をめくりながらCDを聴いていただいた。新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、直接会うことが難しい両校の児童生徒をICT機器を使ってつないだ。また、CDは、日頃、交流活動でお世話になっている校区内の老人保健施設にも送り、お年寄りにも聞いていただいた。本来であれば、直接、お会いして交流をしたいものであるが、コロナ禍の折、なかなか難しくなっている。子どもたちの朗読CDが、こうして少しでも役に立つことができれば、ありがたい。なお、CDは令和2年7月豪雨の際にも、

避難所で流し、被災者の方々を勇気づけることができた。

 

①      活動計画(200~400字程度)

 

来年度の活動計画

次年度も、引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、通常とは異なった様々な取組をしていくことが想定される。体験活動自体をすすめていくことは、かなり厳しいと思われるが、オンラインによる交流等を活用して、ゲストティーチャーとふれあう場を設定していきたい。オンラインでは、地元の方だけではなく遠方の方との交流も容易であるため、空間を超えた活動を考えていきたい。そうした交流を経て、自分たちにできることについて考える場を設定し、行動化をすすめていく。特に、本年度の生徒会が中心となってすすめたシトラスリボンプロジェクトについては、様々なステークホルダーを巻き込みながら、大きなムーブメントとしていきたいと考えている。