2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 福祉

本校は、「志を持ち、自ら考え行動できる生徒の育成」を学校目標として掲げ、ESDを地域に開かれた学校の重要な柱と捉え、ESDの実践を通して、「持続可能な社会をつくる価値観と行動力、人間性を持つ生徒の育成」をすることを推進の目標とした。具体的には、福祉教育、世界遺産学習を柱に、高齢者や認知症に係わる学習、保育実習、特別支援学校との交流、世界遺産学習、緑のカーテン、京都エコ修学旅行、世界で一番大きな授業、服のチカラプロジェクト等を行った。

①地域福祉に係わる活動【SDGs3】

1年生では、大牟田市認知症ライフサポート研究会の方々をGTとして招き、認知症絵本学習を行った。また、大牟田特別支援学校と七夕交流、わくわく交流、クリスマス交流を行った。3年生では、駛馬人情ネットワークの方々や民生委員の方々との協働で一人暮らしの高齢者宅訪問を実施した。これらの活動を通して、他者と関わる力やコミュニケーション能力、高齢者の多い町の中で主体的に高齢者と関わろうとする態度を育むことができた。保育実習では、社会をつくる主人公の視点に立って、子育ては親だけではなく、地域ぐるみで行うことを体感することができた。  
②世界遺産に関わる学習【SDGs⑪】

世界遺産学習においては、「世界遺産についての学習」「世界遺産のための学習」「世界遺産を通した学習」の3つのアプローチからSDGsと世界遺産学習の融和を図っている。また、世界遺産学習で育む資質・能力として①大牟田の世界遺産が伝えているメッセージを後世に伝えていく役割②世界遺産を通して、持続不可能な課題が国内外に存在することを認識し、その解決に向けて地域から世界へ発信・行動する学びに向かう人間性、③生涯にわたって様々な課題を探究しようとする思考力・判断力・表現力を掲げている。さらに、海外の方に「大牟田の世界文化遺産の価値をもっと多くの人々に知ってほしい」「もっと多くの人々に来てほしい」という切実な思いから「外国の方への現地英語ガイド」「英語の世界遺産パンフレット作成」カルタ発祥地であることをふまえた「おおむたカルタ」などを作成した。また、同じエリアのユネスコスクール、駛馬小学校、三池工業高校と連携して宮原坑に置く机や椅子を作成したり、ペーパーウェイトをつくった。また、有明工業高等専門学校と協働で社宅再生DIYも行った。このように、世界遺産宮原坑を「地域のシンボルタワー」として様々なイベントへの参画を行っている。これらの取組をふまえ、国連の記念日(国際幸福デーの取組)に関連した取組を行い、国連から証明書をいただいた。

来年度の活動計画

世界遺産学習として、奈良や京都を訪問し、それぞれの世界遺産にふれ、そのよさを体得する学習を行う。また、地元の世界遺産との共通点や相違点を学び、これらの学習成果を発表するとともに、京都で大牟田の世界遺産のよさをアピールしていく。次年度は、同じ世界遺産を校区に持つ中学校との交流をすすめていきたい。【SDGs11】

 また、本年度に引き続き、高齢者が多い地域の事情を鑑みて、独居高齢者宅訪問や認知症に関わる学習を引き続き実施していく。【SDGs3】これらを通して、持続可能な地域社会を創造する生徒を育てていきたい。また、国内外のユネスコスクールとの交流を通して、様々なつながりを尊重する態度を培うとともに、地元のよさを再発見したり、そのよさを発信するスキルや地域活性化の代替案を作成する力の資質・能力を教科指導と併せてつけていきたいと考える。

 さらに、地域の中にESDに関する学習会を立ち上げ、地域とコラボした取組をすすめていく。