2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉

本校は、「志を持ち、自ら考え行動できる生徒の育成」を学校目標として掲げ、ESDを地域に開かれた学校の重要な柱と捉え、ESDの実践を通して、「持続可能な社会をつくる価値観と行動力、人間性を持つ生徒の育成」をすることを推進の目標とした。
例年、福祉教育、世界遺産学習を柱に、学習を行っているが、コロナ禍で大幅な修正がなされた。
① シトラスリボンプロジェクト【SDG3】
生徒会の発案で、「シトラスリボンプロジェクト」に取り組んでいる。このプロジェクトは、誰もが新型コロナウイルス感染症に感染するリスクがある中、たとえ感染しても、地域で笑顔の暮らしを取り戻せることの大切さを伝え、感染された方や医療従事者を「おかえり!」「ただいま!」の気持ちで受け入れ、思いやりがあり暮らしやすい社会を目指すプロジェクトである。「シトラスリボン」の3つの輪は、「地域」「家庭」「職場(または学校)」を表現している。この取組では、生徒会が中心となって進めており、シトラススリボンをつくり、できたリボンは、関係各位へ感謝の意をこめて、贈呈している。令和3年も、コロナ禍は続いたが、1日も早く、コロナ以前の世界に戻ることを祈念している。
② 大牟田特別支援学校との交流【SDG3】
本校と大牟田特別支援学校は、前身の学校時代から、約40年にわたる交流の歴史がある。毎年、1年生が、七夕交流やクリスマス交流などお互いの学校を行き来して交流を行っている。しかし、今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況をふまえて交流活動ができない状況にあり、クリスマス交流のみを実施した。それぞれが考えたデザインをもとに、クリスマスカードを作成し、お互いに送り合い、ツリーの装飾を行った。
③ 玉川校区の自然と歴史ロビー展【SDG11】
本校には、3つの小学校を卒業した子どもたちが入学している。そのうちのひとつ、玉川校区では、地域の方々が、「玉川校区ESD/SDGs活動委員会」を立ち上げられて、様々な活動をされている。このたび、校区内の勝立地区公民館において、「玉川校区の自然と歴史ロビー展」を開催され、会場には、玉川校区の歴史や自然に関わる写真や貴重な物品を展示された。宮原中学校からも、本校のESDの取組について紹介する展示を行い、ESDの普及につとめた。
④ 世界遺産学習【SDG11】
世界遺産学習においては、「世界遺産についての学習」「世界遺産のための学習」「世界遺産を通した学習」の3つのアプローチからSDGsと世界遺産学習の融和を図っている。また、世界遺産学習で育む資質・能力として①大牟田の世界遺産が伝えているメッセージを後世に伝えていく役割②世界遺産を通して、持続不可能な課題が国内外に存在することを認識し、その解決に向けて地域から世界へ発信・行動する学びに向かう人間性、③生涯にわたって様々な課題を探究しようとする思考力・判断力・表現力を掲げている。今年度は、1年生が「人」に焦点を当てた実践を行った。
⑤ 防災・減災学習【SDG11】
昨年度、2年生は、SDGsについての学習の一環として防災に関する学びを行った。東日本大震災で大きな被害を受けられた宮城県南三陸町観光協会の方とオンラインで結び、被災の状況について交流を行った。被災当時、2年生だった方から震災の話をうかがい、子どもたちも様々なことを考えた。昨年の7月6日には、大牟田も未曽有の豪雨被害
を受け、この経験をもとに、子どもたちは、防災について自分たちにできることを、もう一度、捉えなおすことができた。なお、令和3年1月1日号の「広報おおむた」では、巻頭で宮原中学校の特集記事があり、この活動が取り上げられた。今年度は、避難所を運営する方策について学習を行い、段ボールベッドやテント、避難所トイレの設営、防災食づくりを実施した。
⑥絵手紙プロジェクト【SDG3】
今年度も、コロナ禍で様々なイベント等が中止された。学校の体験活動も実施できない状況が続いている。そのような状況のもと、天の原校区社会福祉協議会と勝立地区公民館と連携して、本校美術部の生徒が絵手紙を作成した。例年、10月には、「天の原福祉のつどい」が開かれているが、今年は実施が見送られた。そこで、天の原校区社会福祉協議会では、校区内に住んでおられる高齢者の方々に絵手紙をプレゼントする取組が行われることとなり、宮原中学校美術部もこの取組に参加。子どもたちが、温かいメッセージを添えて心あたたまる絵を描いた。子どもたちが描いた作品は、民生委員の方々によって、高齢者の皆様に届けられた。コロナ禍でもできる地域への貢献活動に宮原中学校は取り組んでいる。

来年度の活動計画

次年度も、引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、通常とは異なった取組をしていくことが想定される。体験活動自体をすすめることは厳しいと思われるが、オンラインによる交流等を活用して、ゲストティーチャーとふれあう場を設定していきたい。オンラインでは、地元の方だけではなく遠方の方との交流も容易であるため、空間を超えた活動を考えていきたい。そうした交流を経て、自分たちにできることについて考える場を設定し、行動化をすすめていく。特に、本年度の生徒会が中心となってすすめたシトラスリボンプロジェクトや市と連携した防災・減災学習については、様々なステークホルダーを巻き込みながら、大きなムーブメントとしていきたいと考えている。