2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉

本校のESDのテーマは、「地域とつながり 未来へはばたく みやにし(人・文化・自然)」である。

本校では「心豊かでたくましく、共に生きる子どもの育成」を学校の教育目標に設定し、なかよく、楽しく、笑顔があふれる学校づくりに努めている。新居浜市の中心部に位置する本校児童にとって、人や地域との繋がりが希薄化する傾向にある。そのため本事業を「地域の文化を知り人々と交流する活動」「防災町歩きや花の栽培活動を通した地域の人々との人間関係構築」及び「コミュニケーション能力の涵養」を目指す三つの活動から構成した。これらの交流・体験活動等を通じて、児童が地域の人々・文化・自然と積極的に関わることにより、地域を愛し、優しさとたくましさを兼ね備えた持続可能な社会づくりに貢献する人間を育てていきたいと考えた。具体的な実践例は以下のとおりである。

① ふるさとの歴史・文化に学ぶ活動

実践例1:むかしからつたわるあそびをたのしもう(1年生)

(ねらい)

〇 地域の人に昔からある遊びを教わったり、いっしょに遊んだりする中で、昔から伝わる遊びのよさや楽しさ、地域の人の優しさに気付くことができる。

(活動の実際)

〇 事前にいろいろな昔からの遊びに触れ、動機付けを行った。児童は、なかなかうまくいかない遊びについて上達したいという思いをもって、活動に臨んだ。宮西小学校体育館で、民生児童委員、老人会、公民館長、合わせて13名の方が参加してくださり、昔から伝わる遊びを楽しんだ。9つの遊び(けん玉、お手玉、こま、だるまおとし、羽根つき、紙飛行機、竹ぽっくり、竹馬、竹とんぼ)のコーナーを設置し、児童はグループごとに全遊びをまわり、地域の方と触れ合いながら、遊び方を教わったり、いっしょに遊んだりした。

 

実践例2:水はどこから~使った水はどうなるの~(4年生)

(ねらい)

○ 新居浜の水不足の事例から水資源の大切さについて気付き、社会科見学や調べ学習を通して、水資源についての理解を深めることができる。

○ 水資源の大切さに気付き、節水や水を汚さないようにするために自分たちが協力できることを考え、発信することができる。

(活動の実際)

○ 水道水質検査センターと下水処理場へ行き、残留塩素を測定する実験や水がきれいになる過程を学んだ。

○ 水不足を伝える新聞記事を読み、水資源の大切さについて学習した。

○ 節水や水をきれいにするためにできることを考え、節水を呼び掛けるポスターを作成した。

 

② 人との出会いやつながりを大切にした交流・体験活動

実践例3:防災 宮西レンジャー(5年生)

(ねらい)

○ 過去の災害や地域で起こりやすい災害をもとに、自分の課題を設定し、本やインターネット、聞き取りなどから資料を収集したり分析したりすることができる。

○ 地域で起こりやすい災害や地域における過去の災害について理解し、安全な行動をとるための判断に生かすことができる。

(活動の実際)

○ 新居浜市役所危機管理課の方に来ていただき、平成16年の水害や東日本大震災の様子についての話を聞いた。

〇 新居浜市防災センターにて、地震の疑似体験や火災時の避難体験などの様々な体験活動を行った。

〇 宮西小学校に新設されたマンホールトイレの設置体験に参加した。

○ 自分たちの住む地域の危険箇所や避難場所、災害時に役立つものを探し、地域に住む方に防災についていろいろなことを教えていただく『防災まち歩き』を実施した。

 

③ 豊かな感性と表現力を育てる環境づくり

実践例4:学校ボランティアによる読み聞かせの実施(全学年)

(ねらい)

〇 地域の方に朝の読書の時間に読み聞かせをしていただくことで、昔話や伝記など様々な内容の本に触れ、豊かな感性を磨くことができる。

(活動の実際)

〇 2週間に1度のペースで学校ボランティア(保護者や地域の方)にお越しいただき、朝読書の時間を使って読み聞かせをしていただいた。

〇 児童は、昔から日本に伝わる話や伝記などに触れ、様々な内容の本について興味を持ち、学校図書館や市立図書館で本を借りるようになっている。

 

成果と課題

今年度は新型コロナウイルス感染防止のため、地域と連携する行事が例年通りに行えなかった。特に、1学期はほぼ全ての活動が延期・中止となった。そのため、2学期以降に内容の変更や精選を行いできる範囲で行った。児童は、実際に地域を歩いたり、施設を見学したり、地域の方々と交流したりすることで、自分たちの生活は地域と深く関わっていることに気付くことができた。また、普段何気なく過ごしているふるさとの新たな魅力を発見し、ふるさとを大切にしたいという気持ちを高めていた。 学校としては、新しい生活様式を踏まえた上で、児童が地域とのつながりや人との関わりを感じることのできる活動にしていく必要があった。そのため、地域との連携をこれまで以上に密にしながら活動内容を考えるようになった。今後も地域との連携をしっかりと行い、ふるさとを愛し、大切にしようとする児童を育てていきたい。加えて、コロナ禍の現在において希薄になっている「人と人とのつながり」や「心と心のつながり」の大切さを感じられる活動にしていきたい。

 

 

来年度の活動計画

1 ふるさとの歴史・文化に学ぶ活動
・郷土芸能(口屋音頭)の伝承(全校児童)
・ふるさと学習(塩の学習館)の見学(6年生)
・ふるさと歴史探検(3・4年生)
・まち探検(2年生)
・昔の遊び体験(1年生)                 (目標4・11・14)

2 人との出会いやつながりを大切にした交流・体験活動
(1) 体験活動を通した地域の方々との関わり
・三世代ふれあい交流大会(6年生)
・防災 宮西レンジャー(5年生)
・愛花人活動(3年生)
(2) 縦割り班活動の充実
・なかま遊び・オリエンテーリング集会等
(3) 中学校との連携強化
・小中学校合同地区別清掃奉仕活動の実施
・小学校児童会と中学校生徒会によるエコキャップ回収運動の推進
(目標3・11・12・15)

3 豊かな感性と表現力を育てる環境づくり
(1) 読書活動の充実
・学校ボランティア(保護者)による読み聞かせの実施
・学校図書館の整備、充実
(2) 言語活動の充実
・思いを語り合う場(ペア学習→グループ→全体へ)づくり
・学級活動におけるソーシャルスキルトレーニングの実践     (目標4)