2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

⑴ 歴史・世界遺産や地域の文化財等について学び,継承する活動

児童生徒は,前期段階から,町探検や町の人々のくらしを学ぶ中で,宮島の歴史や建造物への関心を高め,嚴島神社をはじめとする文化財について学んでいる。現在大規模修繕工事中の嚴島神社だが,大鳥居の屋根の下に140年以上「重し」として収められていた「鎮石(しずめいし)」の「鎮石洗い清め行事」が今夏行われていた。その後の「鎮石」の納め直しに本学園9年生へ参加の声掛けをいただき,9月14日に神社を訪問した。修繕工事の見学と共に,鎮石収め直しに参加した生徒代表は「貴重な体験をさせていただいて感謝している。宮島の歴史,神社の歴史を学ぶことのありがたさ,そして伝えていくことの大切さを感じました。」と感謝の言葉を伝えていた。

⑵ 宮島の伝統文化を体験し,継承する活動

伝統の技である宮島彫,宮島ロクロ,宮島土鈴を見学,体験することを通して,伝統を守り続ける方々の思いや願いを知り,宮島特有の伝統への関心を高めている。また,時代を超えて継承されてきた宮島踊りや宮島杓子踊りを運動会に位置づけるとともに,新たな伝統の創造ともいえる宮島太鼓にも取り組み,文化祭で披露している。地域の伝統行事への参加(1~4年たのもさん,5~9年鎮火祭)やボランティア(かき祭り,清盛まつり,管絃祭)も推奨している。

⑶ 宮島の自然環境について学び,自然を守る活動

原生林は「世界文化遺産」に登録されており,土石流災害防止のために行う弥山山頂付近の植生復元活動に参加し,宮島の環境を守るための活動を実際に体験している。町民防災訓練には,全児童生徒が参加する予定。 また,前期段階から,身近な海岸の生き物観察や指標生物の調査,海岸のゴミ調査などを通して,豊かな自然を守っていく意識を醸成している。

来年度の活動計画

これまでESDの視点で取り組んできたことを,SDGsの視点によって,学習する目的をより明確にして,「生活科」,「総合的な学習の時間」を軸に,各教科等と関連を図り横断的な学習を展開していく。

世界遺産「宮島」の豊富な地域の資源や人材,環境を生かし,児童生徒の学習の充実を図っていく。また,「学ぶ」だけでなく,宮島の世界遺産,文化遺産,伝統,自然環境等をどのように守り,未来へ残していくか,多面的・総合的に考え,主体的に行動していくことをねらって,宮島が直面している課題を考える学習活動を段階的に位置づけながら,これまで以上に探究的な学びとなるようにしていきたい。

校内体制は,前期・中期・後期ブロックを基本として,校内研修は常に小・中学校合同で行いながら,9年間を見通して育てる視点を大事にしていく。