2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 持続可能な生産と消費

宮城教育大学では、ESDを第三期中期計画の目標(3-17)に掲げ、地域社会と連携しながら地域貢献を行うとともに、ESDの教育実践を通して、教員養成課程の学生の資質能力の育成と人間力の向上をはかることを目指している。学校支援、地域支援、教育研究活動を柱に、ユネスコスクール・ESDの学校支援に係わる活動、地域連携・地域支援に係わる活動、学部学生教育・教師教育に係わる活動、研究に係わる活動を行っている。

 

①ユネスコスクール・ESDの学校支援に係わる活動

ASPUnivNetの創設校・メンバー校として、ユネスコスクールの新規加盟希望校と既存の加盟校に向けた活動支援を行っている。本年度は5校の新規加盟希望があったためそれらの学校を実際に訪問して支援した。また、115日に開催した日本/ユネスコパートナーシップ事業による「第1回ユネスコスクール北海道・東北ブロック大会」には、北海道・東北地方内外からユネスコスクール加盟校・申請校の児童生徒が研究発表のために集い、教員を含む関係者が多数参加した。

 

②地域連携・地域支援に係わる活動

2005年に仙台広域圏RCEとして認定されたその事務局として、また、2014年からはESD/ユネスコスクール・東北コンソーシアムの活動の運営主体として、環境関係団体やNPO、ユネスコ協会、教育委員会などと連携しながら、東北地方の各地域におけるESDの展開を促進している。本年度からユネスコ活動費補助金による「地球市民による地域資源を活用したSDGsESDカリキュラムの開発」事業を推進し、学び合いセミナーを数回開催するとともに、コンソーシアム構成団体が主催する東北各地の事業に対して協力を行っている。

 

③学部学生教育・教師教育に係わる活動

現代的な課題を解決する目的で設定している学部教育(副専攻)科目「現代的課題科目群」の環境教育、多文化教育などの科目群において、ESDについて学習する時間を設定している。また、3.11東日本大震災の被災地として、防災教育を強力に推進している。免許状更新講習においては、現職教員に向けて、ESD入門科目を、仙台市と気仙沼市において開催している。また、上記のような学校支援、教員研修の場への学部学生、大学院学生の参加を促している。

 

④研究に関わる活動

国際的には、JICA、ユネスコバンコク・ジャカルタ事務所、中国のESD推進部門である中国可持続発展委員会、岡山大学(ユネスコチェア)、ProSPER.Netなどの協働プロジェクトに参画し活動を行っている。特に本年度は1018日にProSPER.Netの総会を主催し、オーストラリア、中国、インドネシア、キルギスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、国連大学、ユネスコ、環境省と日本の大学教員・学部長など総計49名が参加して、防災教育を含めた持続可能な社会の創造のための取組について討論した。上述のようなESDにおける大学内の推進主体を、教員キャリア研究機構内に設置している。

来年度の活動計画

 学生教育や現職者教育、教育研究活動を継続して行うとともに、ユネスコ活動費補助金事業、科学研究費補助金基盤研究(B)「東北の人材育成ネットワークを活用したESDSDGs地域学びあいモデルの創造」による調査・研究を、継続して実施する予定である。以下の事業に対する支援や協働を予定している。

1.気仙沼地区:ESD/ユネスコスクール研修会(6/1月)、ESD円卓会議(11月)
2.岩手・平泉地域:平泉町公開研究会(9月)
3.福島・只見地区:只見町公開研究会(11月)
4.福島・安達地区:安達高校ESD公開研究発表会(8月)
5.宮城・仙台地区:多賀城高校公開研究会(10)、ユネスコスクール東北大会(10月)、ESD活動支援センター成果報告会(2月)など。