2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉

本校は、「金沢の魅力~人とのつながりを大切にして~」を活動テーマとして、ESDを関わり・つながりを通して進んで課題の解決に取り組む態度を養う教育と捉え、ESDの実践を通して自ら求める子、自ら感謝する子、自ら行動する子の育成を目標とした。

具体的には、地域、福祉・人権、国際交流を柱に、①地域の文化財に係わる学習、②福祉に係わる学習を行った。

  • 地域の文化財に係わる活動

3年「金沢の和菓子・茶道文化について学ぶ」

金沢の和菓子・茶道文化について、実際に調べたり、体験する活動を通して、金沢の人々に根付いている和菓子・茶道文化やおもてなしの心について学んだ。まずは、きせつ・行事に応じた金沢の菓子について「どんなお菓子なのか」という学習課題を持ち、自ら調べを進めていった。自分の調べを発表し友だちと交流する中で、古くから愛されてきた菓子のそれぞれに込められた人々の思いや願いを感じ取ることができた。次に、その文化を支える和菓子職人さんに質問したり、職人さんに教わりながら自分で実際に練り切りを作る体験をしたりと主体的に学んでいった。これらの体験を通して、子どもたちは、職人さんの巧みな技だけでなく、職人さんが季節感やお客さんを大切にしていること、日々創意工夫を重ねていることを実感することができた、さらに、ともに盛んとなった茶道についても知り、お茶会を体験した。それらの学習活動を通して、児童は金沢ではお茶文化とともに和菓子文化が愛され、伝承されてきたことや人と人とのつながりを深めるために大切な役割を果たしていることに気づくことができた。

 

6年「金沢の歴史や伝統を調べ、知り、発信しよう」

 

近年の金沢への観光客増加について触れ、なぜ観光客が増えているのかを考えさせた。たくさんの観光客が来る自分たちのふるさと金沢についてもっとよく知り、調べ、「コロナが終わったら観光客に伝えたい!ふるさと金沢の推しを見つけよう」というめあてのもと学習を進めた。まず、インターネットで調べ、実際に自分の目で確かめる「金沢歴史探訪」を行った。見学先でのお話や、同行してくださったまいどさんからのお話、実際に歩きながら感じた金沢の町並みの様子などをふりかえり、『金沢の魅力』をパンフレットにまとめた。この「調べる、体験する、発信する」という学習活動を通して、金沢の魅力を一人一人が自分の言葉で語ることができた。また、自分でまとめたり友達の発表を聞いたりすることを通して、金沢の魅力は、過去から受け継がれてきたものであるとともに、自分たちも大切にし、次の世代に引き継いでいきたいという思いを持つ児童も見られた。

・福祉に係わる学習

5年 「共に生きる」

高齢者疑似体験や校区にある特別養護老人ホームのお年寄りとふれ合う活動等を通して、相手の立場になって考える力や相手を思いやる心を育むことを目標に計画を立てた。今年度は新型コロナ感染症への対策として、リモートでの交流会を開催した。企画・運営、仲間との協力を経験する中で、子どもたちが地域の中の自分を意識し、人と人とのつながりを学び、地域の未来をつくるために自分からできることを考えて行動するようになることをねらいとした。

高齢者疑似体験では、普段の自分の感覚との違いからお年寄りの大変さを実感し、身近なお年寄りについて関心を広げていた。一回目のリモート交流では、「若い力」の全体演技の披露やお年寄りへの質問コーナーなどを企画し交流ができた。2回目にはお年寄りにビデオレターを送ったり、歌を発表したりできた。

これらのことを通して、子ども達はお年寄りの笑顔に喜びを感じ、お年寄りそれぞれの様子から、それぞれ自分たちにできることは何かについて考えていた。

ここでの学びが、今後の子ども達の人生の中で、相手のことを思いながら生きる力につながることを願っている。

 

 

 

 

 

 

来年度の活動計画

 今年度同様、総合的な学習の時間を柱として「金沢の魅力~人とのつながりを大切にして~」を活動テーマとし、「金沢ふるさと学習」で地域の特色やよさに目を向けることができるようにする.

その中で、まず、金沢の歴史や文化について実際に体験したり調べたりすることでそのよさや特徴、人々の思いや願いを知ることや自分の学習課題を追及する活動を通して、調査・記録・整理・表現、情報活用などの能力を高めること、さらに、学びに向かう力・人間性等については、地域の人や事柄とのふれあい、豊富な経験や体験を持つ人とのふれあいの中で、自分の生活をふり返り、自分の生き方について考えることができるようにしていく。

これらの活動を通して、めざす児童の姿として、「自ら求める子、自ら思いやる子、自ら行動する子」の育成をめざしていきたい。