2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 人権, 福祉, 食育

本校は、「考え、動き出す子」を研究主題として、ESDを「現代社会の問題を自らの問題として考え、これらの課題の解決につながる価値観や行動の育成」と捉え、総合的学習に取り組んできた。そして、ESDの実践を通して自ら学び、考える力を育成し、自己の生き方について考えることができるようにすることを目標とした。具体的には、「地域に生きる」「未来に生きる」をベースとして①地域の伝統文化に係わる活動、②健康・福祉に係わる教育、③環境に係わる学習、④キャリア教育に関わる学習をした。

 

①地域や伝統文化に係わる活動(3年生)

学校の伝統である「三馬っ子音頭」を4年生から受け継ぎ、目線や指先まで意識して踊れるよう練習を重ねた。「三馬っ子音頭」の踊りに込められた願いや思いを調べたことで、その願いを受け継いでいきたいという思いをもつことができた。児童は、自分が暮らす三馬校区についてより目を向けるようになり、地域への関心をさらに高めることができた。

 

②健康・福祉に係わる教育(4年生)

事故で身体不自由となった星野富弘さんについての学習を通して、障害をもつ方々に対する考え方を話し合った。「障害があるからかわいそう。住みにくい。」と考えるのではなく、すべての人々が住みやすい町とはどんな町なのかを考えた。車いすやブラインドウォークなどの疑似体験を通して、障害をもつ人々の苦労や不安を知り、すべての人々が住みやすい町にするために自分にできることは何かを考えた。

 

③環境に係わる学習(5年生)

校区に流れる伏見川は、児童にとって一番身近な川である。その伏見川が過去には生活排水で汚れていたことを知り、なぜ今の伏見川はきれいになっているかを調べた。資料から、伏見川にはたくさんの生き物がいることが分かったが、今も生活ゴミによる汚染や、洪水による危険性があることも分かった。さらに、過去に川の氾濫が起こったことも知り、「防災」についても目を向けることができた。生き物にとっても人にとっても住みやすい川とはどんな川なのかを考えることができた。

 

④キャリア教育に関わる学習(6年生)

家族に職業についてインタビューをしたり、プロフェッショナルの仕事の様子を映像で見たりすることを通して、働く意味や、仕事に対する思い、やりがいなどについて考えた。その際に、ビジョンボード(私の宝地図)を作成し、将来の夢や、憧れの人など、自分自身の未来構想をつくり、未来への思いを高めた

来年度の活動計画

本年度は新型コロナウイルスの影響で、昨年度より児童の活動が制限されることになった。しかし教職員と地域の人々とが連携、協力し、教材を工夫することで、子どもたちは学校や校区、金沢にある伝統や文化の素晴らしさを知ることができた。そこで、来年度も教材を工夫しながら、身近な自然、伝統、文化を学ぶことを通して、自分たちが暮らす社会に対して目を向けさせたいと考えている。「地域に生きる」「未来を生きる」をベースとして「地域」「福祉」「環境」「共生」の4つのテーマをもとに学習し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいく。