2019年度活動報告

本年度の活動内容

本校は、「共に夢を拓くみなとっ子」を学校理念として、ＥＳＤを、学校の教育活動全体を通じて、人格の発達や自立心、判断力、責任感などの人間性を育むとともに、他者との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「かかわり」「つながり」を尊重する活動と捉え、ＥＳＤの実践を通して人間関係形成能力、意思決定能力、情報活用能力、将来設計能力の育成を目標とした。

具体的には、海洋教育、福祉教育を柱に、①世界遺産三池港を中心とした大牟田の町の持続発展に係わる学習、②地域のお年寄りの方や福祉施設に係わる学習を行った。

①   世界遺産「三池港」を中心とした大牟田のまちの持続発展に係わる学習（SDGs14）

校区にある明治日本の近代化遺産「三池港」を軸に据え，総合的な学習の時間を中心に「海洋教育」を教育課程に位置づけた学習を行った。今年度から１，２年生でも行い、全学年の総合的な学習の時間における６年間で，「海に親しむ」「海を知る」「海を守る」「海を利用する」の４つのキーワードを系統的・段階的に設定し，有明海の生物や三池港と周辺施設の魅力，他の近代化遺産との関わり等を学び，「海と人との共生」を考えた。そして，大牟田市の持続発展とＳＤＧ’ｓの１４「海の豊かさを守ろう」のために，自分たちには何ができるかを考え，校内や地域に向けた発信や，実践を行った。

具体的には１，２年では，生活科で「海辺で遊ぼう」をテーマに有明海の海辺での遊びを楽しみ，身近な海の自然に親しむ活動を行った。３年では，総合的な学習の時間で「有明海の生き物を知ろう」をテーマに，広大な干拓を有する有明海の雄大さに触れたり干拓に棲む様々な生き物の様子について調べたりしたことを基に，生物多様性や自然保護について考え，「うみまつり」を開催し発信する活動を行った。４年では，総合的な学習の時間に「三池港・有明海の環境を守ろう」をテーマに，元三池海水浴場に落ちたり漂着したりしているゴミの様子を調べ，ゴミの内容や原因について考えたことを基に，ゴミを無くすための取組について考え地域に呼びかける活動を行った。５年では，総合的な学習の時間に「三池港ってどんなところ？」をテーマに，筑後地区の物流拠点であり，世界文化遺産でもある三池港の機能や歴史，大牟田市の発展との関連について調べ，物流機能と歴史的価値の両面から三池港の価値をまとめ，発信する活動を行った。６年では，総合的な学習の時間に「大牟田の魅力を発信しよう」をテーマに，これまで学習してきた海洋教育の内容を総合し，観光や経済の面から「海の利用」や「人と海との共生」について考え，これからのまちづくりについて発信する活動を行った。さらに，推進モデル校での学習交流会や合同三池港見学・クルーズの実施。子どもテレビ会議や海洋教育子どもサミット等の実施も行った。海洋教育は海の環境を守る，海と関わる産業を考える，地域の未来を考えるという学習であり「海を通したＥＳＤ」といえる。

来年度の活動計画

令和２年度は，ＥＳＤにおいて特に，海洋教育を柱とした体験活動や探求活動を充実させたい。全教科・全領域にまたがるＥＳＤの実践を通して、ＰＤＣＡサイクルを確立させながら、令和元年度までの実践をさらに高めていくとともに、海洋教育の目指す資質・能力を明らかにしながら系統的なカリキュラムになるように見直しを図っていく。身近な「ひと・もの・こと」も最大限活用できるように、活用力・指導力のブラッシュアップも図っていく。