2021年度活動報告

具体的には、海洋教育、防災教育を柱に、①世界遺産三池港を中心とした大牟田の町の持続発展に係わる学習、②気象に関わる学習や、地域の防災対策について学習を行った。

①世界遺産「三池港」を中心とした大牟田のまちの持続発展に係わる学習（SDG14）

校区にある明治日本の近代化遺産「三池港」を軸に据え、総合的な学習の時間を中心に「海洋教育」を教育課程に位置づけた学習を行った。「海に親しむ」「海を知る」「海を守る」「海を活用する」の４つのキーワードを系統的・段階的に設定し、有明海の生物や三池港と周辺施設の魅力、他の近代化遺産との関わり等を学び、「海と人との共生」を考えた。そして、大牟田市の持続発展とＳＤＧ１４「海の豊かさを守ろう」のために、自分たちには何ができるかを考え、校内や地域に向けた発信や実践を行った。

具体的には３年では、海の時間に「有明海の生き物を知ろう」をテーマに、広大な干拓を有する有明海の雄大さに触れたり干拓に棲む様々な生き物の様子について調べたりしたことを基に、生物多様性や自然保護について考え、オンラインで他校と交流する活動を行った。４年では、海の時間に「三池港・有明海の環境を守ろう」をテーマに、元三池海水浴場に落ちたり漂着したりしているゴミの様子を調べ、ゴミの内容や原因について考えたことを基に、ゴミを無くすための取組について考え地域に呼びかける活動を行った。５年では、海の時間に「三池港ってどんなところ？」をテーマに、筑後地区の物流拠点であり、世界文化遺産でもある三池港の機能や歴史、大牟田市の発展との関連について調べ、物流機能と歴史的価値の両面から三池港の価値をまとめ、発信する活動を行った。６年では、海の時間に「大牟田の魅力を発信しよう」をテーマに、これまで学習してきた海洋教育の内容を総合し、観光や経済の面から「海の利用」や「人と海との共生」について考え、これからのまちづくりについて発信する活動を行った。さらに、市内の海洋教育推進校としての学習交流会や合同三池港見学、zoomによる合同授業や海洋教育子どもサミット等の実施も行った。海洋教育は海の環境を守る、海と関わる産業を考える、地域の未来を考えるという学習であり「海を通したＥＳＤ」といえる。

②気象に関わる学習や、地域の防災対策についての学習（SDGs13、11）

昨年度の体験や学習をもとに、５年生は、大雨に関する気象と自分たちの生活との関わりについての学習を、６年生は、被災から1年後の地域の意識の課題を捉え、これから目指すべき地域の一員としての在り方についての学習を行った。これらの学びは、より良き復興を目指し、子ども達がメッセンジャーとして防災意識を発信する取組につながった。防災・減災教育のプロセスは、SDG11「包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する」に通ずるといえる。