2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

持続可能な生産と消費, 食育, その他の関連分野

児童が探求的な学習の取り組みを推進できるよう,地域や伝統文化を主要テーマとして実践に取り組んでいる。「総合的な学習の時間」で,地域にある有形・無形の文化財を調べたり,体験したりする活動を通して,よりよい社会を築いていくために解決すべき課題を探求していった。

① 3年生「金沢の和菓子・行事」

和菓子職人さんに,簡単な道具だけで1分足らずの時間で上生菓子を作る作業を目の前で見せてもらった。和菓子職人さんの技のすごさに歓声があがり、子ども達は楽しみながらも真剣に作っていた。職人さんから「和菓子作りを続けてきてつらいこともあったが,心をこめて作った和菓子を食べた人が喜んでくれる顔が励みになった。」というお話を聞き,和菓子を通した心のつながりに気づくことができた。体験をきっかけに,金沢の和菓子に関する個々の課題をもち,それを解決するために調べ学習をした。和菓子が人々の生活に根付いていること,和菓子には意味や願いがこめられていることを知ることができた。その後,日本の和菓子についても調べるという活動につながった。

② 4年生「辰巳用水探検」

校区内を辰巳用水が流れているため,児童は辰巳用水を知ってはいるものの,その歴史や役割についてはほとんど知らない。そこで今も使われている辰巳用水について調べ学習を行った。調べていくうちに辰巳用水を作った板屋兵四郎をはじめとする用水を切り開いた先人たちの知恵や苦労を知ることができた。また,辰巳用水土地改良区の方及び県中央農林総合事務所土地改良部の方のお世話による用水のトンネルを見学した。資料から得られなかった気づきや驚きを用水新聞にまとめ,交流会を開いた後,廊下に掲示し,校内に発信した。

③ 5年生「金沢の食文化を学ぶ」

「金沢の食文化を学ぶ」というテーマのもと,「米作り」に取り組んだ。

一人一人が米作り体験をするために,マイバケツ田んぼを準備した。田植えをし,稲から米が収穫できるまで日々お世話をした。一人一人が収穫できた米は全部で2㎏であったが,この体験から育てた米を食べる喜びと農家の人の苦労や工夫に気づき,食への関心が高まった。また,家庭科の学習を生かして,自分たちの育てた米を炊いて食べる計画を立て、実習を行った。

④ 6年生「国際社会の未来」

金沢の歴史と文化をグループで探る「城下町ウォーク」を実施した。金沢城公園,兼六園,長町武家屋敷,歴史博物館などの見学とともに,狂言『柿山伏』を鑑賞した。私たちの暮らす金沢には,すばらしい歴史と文化があり,それらが伝え残されてきたことを学んだ。これからは,私たちが次の世代へ伝えていくことが大切だと気付くことができた。国語科「町のよさを伝えるパンフレットを作ろう」と並行してリーフレットを作成した。全校集会でも発表するなど,残していきたい金沢のよさ(もの・人・こと)に気づくことができるようになった。

道徳「エイズと闘った少年の記録」でHIV/エイズで苦しみ悩む人の存在を知った。そこで,北陸HIV情報センターの方から感染者の方々の生活や思いについてお話を聞く場を設定した。どのような理由であれ人を差別することなく,人を大切に思う心が大事である事を学んだ。また,当事者の方々を励ましたいと一人一人が思いを込めメッセージキルトを作った。学習を通して,自分の生き方を見つめることができた。

来年度の活動計画

地域の自然や人々と関わるにつれて,自然の恵みに気づくと共に,その自然と関わり,文化を育み,守り,伝えてきた人々の存在と,人々の苦労と工夫や努力を知ることができた。

学習を通して,自分が住んでいる地域をこれまで以上に好きになり,誇りを持つようになっていった。さらに,児童はこれからの自分の行動について考えたり環境や自然を守ったり大切にしたりしていかなければならないという思いをもつことができた。

以上の成果から、平成31年度も継続して活動していき、さらに自然や文化、人々との関わりを広げられるような工夫を検討していきたい。