2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 人権, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

児童が探求な学習の取り組みを推進できるよう,地域や伝統文化を主要テーマとして実践に取り組んでいる。「総合的な学習の時間」で,地域にある有形・無形の文化財を調べたり,体験したりする活動を通して,よりよい社会を築いていくために解決すべき課題を探求していった。

3年生 「りんごを育てよう」

校区の舘町や大桑町ではりんごや梨を育てる農家が何軒もある。学校にもりんごの木が3本あり、毎年校区のりんご農家の浦野さんから教えていただきながら3年生がりんごを育てている。

今年は、春の遠足で浦野さんのりんご園を通って見学するとともに、りんごの育て方を教えていただいた。児童の質問に答える形で苦労や喜びについてもお話いただいた。浦野さんの仕事の苦労やりんごに対する愛情を知り、それが浦野さんのりんごのおいしさのヒミツだと気付くことができた。自分たちでも世話の仕方を調べ、収穫を楽しみにしながら学校のりんごの木の世話や観察を続けた。今年も感染症対策のため、学校で調理して食べることはできなかったが、子ども達は収穫したりんごを家に持ち帰り家族と一緒に食べることができ喜んでいた。

りんごの世話をして育てる中で関心を広げ、りんごの種類や産地、調理方法、栄養などの課題をもち、各自が調べ活動を行うこともできた。

 

4年生 「辰巳用水についての学習」

校区内を辰巳用水が流れているため、児童は辰巳用水を知ってはいるものの、その歴史や役割についてはほとんど知らない。そこで今も使われている辰巳用水について調べ学習を行った。春には、遊歩道を歩き、兼六園まで辿った。途中、歴史博物館にある昔の石管も見ることができた。秋には、土地改良区の方々のご協力で隧道見学を行った。調べていくうちに辰巳用水を作った板屋兵四郎 をはじめとする用水を切り開いた先人たちの知恵や苦労を知ることができた。見学し調べた気づきや驚きをクロームブックのスライドにまとめ、紹介しあうことができた。

 

 

 

5年生 「金沢の食文化を学ぶ」

「金沢の食文化を学ぶ」というテーマのもと、「米作り」に取り組んだ。

一人一人が米作り体験をするために、マイバケツを準備した。土作りや芽出しから田植えをし、米が収穫できるまで日々観察、世話をした。一人一人が収穫できた米は少なかったが、この体験を通して、育てた米を食べることができる喜びと農家の人々の苦労や工夫に気づき、食への関心が高まった。

 

6年生 「よりよく生きる」

「未来に向かうまち金沢」の学習を通して金沢の歴史と文化をグループで探る「城下町ウォーク」を実施した。金沢城公園、兼六園、長町武家屋敷、歴史博物館などの各施設を見学し、自分たちのふるさと金沢には、すばらしい歴史と文化があり、それらは大切に受け継がれてきたことを学んだ。また、「SDGs⑪住み続けられるまちづくりを」の観点からも、金沢のまちについて考えることができた。これらの学びが、「これからは、自分たちが次の世代へと伝えていかなくてはならない」という思いをもつことにつながった。

「差別を考える」学習を通して、エイズで苦しみ悩む人たちの存在を知った。はじめはエイズについて何も知らなかった子どもたちだが、北陸HIV情報センターの方から、感染者の方々の生活や思いを聞き、差別について深く考えるよい機会となった。また、病気や差別で苦しんでいる人たちを励ましたいと、一人一人が思いを込めメッセージキルトを作った。学習を通して、自分の生き方についても見つめなおすことができた。

児童が探求な学習の取り組みを推進できるよう,地域や伝統文化を主要テーマとして実践に取り組んでいる。「総合的な学習の時間」で,地域にある有形・無形の文化財を調べたり,体験したりする活動を通して,よりよい社会を築いていくために解決すべき課題を探求していった。

 

来年度の活動計画

地域の自然や人々と関わるにつれて,自然の恵みに気づくと共に,その自然と関わり,文化を育み,守り,伝えてきた人々の存在と,人々の苦労と工夫や努力を知ることができた。

学習を通して,自分が住んでいる地域をこれまで以上に好きになり,誇りを持つようになっていった。さらに,児童はこれからの行動について考えたり,環境や自然を守ったり大切にしていかなければならないという思いを持つことができた。

以上の成果から,令和5年度も継続して活動していき,さらに自然や文化,人々との関りを広げられるような工夫を検討していきたい。