2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, その他の関連分野

本校ではESDの教育資源として地域の環境や社会・文化等を活用し、地域を支える人材、ひいては持続可能な社会の担い手の育成を目指している。具体的には、地域の魅力を再発見し持続的な発展の方策を探る「地域の課題の解決に係る探究活動」を中心に、その成果を行動につなげた「地域の環境に係る活動」、「地域の伝統文化の継承に係る活動」等を行った。
(1)地域の課題解決に係る探究活動「豊後大野市課題解決・魅力発見プロジェクト」
グループで主体的に探究活動を行うことで、思考力・判断力・表現力を育成するとともに、郷土愛を醸成し、将来の地域を支える人材を育成することを目標としている。生徒のモチベーションを高めるため、豊後大野市長から探究の領域を提示していただき、それぞれの興味・関心によって11グループに分かれ、課題の設定から解決方策まで探究活動を行った。本年度の研究テーマは以下のとおり。
①豊後大野市の医療の魅力を探る、②豊後大野の野菜を食べよう、③外国の人たちが訪れやすい豊後大野市に、④神楽のルーツと地域の関わりを探ってみよう、⑤STOP少子高齢化~仕事で創る明るい未来~、⑥豊後大野市の魅力的な職場を知ろう、⑦美しい景観を後世に伝えるためには~おおいた豊後大野ジオパーク~、⑧福祉を豊かにするための課題、⑨少人数教育の問題点とそれに向けての取組、⑩魅力的な保育現場を追求し、豊後大野市の人口増加につなぐ。⑪スポーツで活性化
(2)地域の環境に係る活動
地域の自然や環境について主体的に学び、地域の自然保持の大切さを理解することを目的とする。本地域は「おおいた豊後大野ジオパーク」に指定されており、本校科学部は阿蘇溶結凝灰岩の特性の研究を継続している。今年度は、「日本ジオパーク全国大会」が大分県で開催され、阿蘇溶結凝灰岩の圧縮強度を調べる実験などの体験ブースをNPO法人「しげまさこども食堂」と共同で開設した。
(3)地域の伝統文化の継承に係る活動
本校の神楽部は地域に伝わる浅草流岩戸神楽を地域の人から学び、自ら演じる活動をとおして、地域の伝統文化を将来に継承する活動に取り組んでいる。校内の行事はもとより、地域の祭やイベント、福祉施設等で、年間30回以上の公演を行った。特に、今年度は「ラグビーワールドカップ」大分会場ファンゾーンのステージイベントで公演し、海外からの来場者に伝統文化を発信した。

来年度の活動計画

地域の課題解決に係る探究活動「豊後大野市課題解決・魅力発見プロジェクト」については指導計画や地域連携の形が整ったことから、探究手法のレベルアップによる問題解決能力の向上及び情報発信の工夫を重点に取組んでいく。「具体的な行動」につなぐ取組においては、「地域の環境」「地域の伝統文化の継承」以外でも、従来、教員中心で指導を行ってきた「人権」「減災・防災」などの分野の学習をとおして生徒の意欲を喚起し、自発的な行動を引き出していく。