2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, エネルギー, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本年度は奈良市における世界遺産学習の成果を2月7日開催の世界遺産学習全国サミットにおいて報告することになった。そこで、世界遺産学習におけるこれまでの実践を点検し、その大きなねらいに「持続可能な社会の担い手の育成」を取り入れ、SDGsも視野に入れながら、学びを通して育成を図る資質・能力を明確にした実践・活動へと研究を進めていった。すべての教職員が同じ方向を見て、実践を点検し新たな取り組みを生み出してきた。地域産業の奈良筆を通して、創る責任・使う責任について考えた3年生。地域を素材としながら、持続可能な街づくりを目指す4年生、世界遺産を通して森林をはじめとする豊かな陸地について学びを深めていった5年生。これまでの学びを振り返りながらSDGsの視点で自分たちの学びを整理した6年生。低学年ではたっぷり地域とかかわる中でさまざまなひと・もの・ことと出会いながら多くの活動を進めてきた。具体的には防災、環境、世界遺産や地域の文化財、平和、人権、福祉、持続可能な社会の担い手を柱に、①地域の文化等に関わる学習、②福祉など持続可能な街づくりに関する学習、③持続可能な社会に関する学習を行った。
①地域の文化等に関わる学習
 3年生では奈良筆の生産から、それが地域の寺院での写経に使われていること、そして自分たちが習字の学習で使っている筆についてと学習を展開していく中で、創る責任・使う責任について自分事として学んできた。また、実際に職人さんの作ったそれらの筆を使って文化財を自分らしく描く学習にも発展していった。
②福祉など持続可能な街づくりに関する学習
 4年生では平城宮跡の過去、現在、未来という視点で、インフラの変化からこれからこの街を奏していきたいのかを、地域の人や家族の声も聴きながら学んでいった。平城宮跡にあったらいいなぁというお店を想像する制作活動も行った。
③持続可能な社会に関する活動
 5年生では地域の薬師寺東塔の修復、平城宮跡南門復原、唐招提寺の千手観音像など文化財を通して木材等の陸の豊かさについて学んでいった。6年生では薬師寺の防災訓練にも参加しながら、これまでの学びとこれからの自分の生き方をSDGsの視点で考えていった。

来年度の活動計画

SDGsの視点で世界遺産学習をはじめ様々な学びへとつないでいく実践をスタートした2019年を点検しつつ、子どもたちに持続可能な社会の担い手としての力がついたのかをしっかりと確かめながら、地域のひと・もの・ことを生かした、より体験的で、課題解決・プロジェクト型の学びを、児童主体で展開していきたいと思います。また、これらの実践を持続可能なものにしていくためにもESDカレンダーのようなものにまとめ上げていくことができればと思っています。