2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 人権

本校における総合的な学習の時間及び生活科は、昨今の時流を鑑みて、コンテンツ・ベースから、コンピテンシー・ベースへと舵を切った。そのため、昨年度の学習内容をそのままおこなうのではなく、めざす子ども像を達成できるような、切り口や学習内容を教職員で考えていくことを、校内研修の場で確認した。本稿では、典型事例である4年生の実践を示す。なお、4年生の切り口と目指す子ども像は「インフラを切り口に、自分のまちを大事に思う子ども」である。

1学期の後半、奈良県庁より連絡を受ける。それは、校区にある平城宮跡歴史公園南側地区に、建設物を建てようと計画しており、そこに地元の小学生の意見をも反映させたい、というものであった。そこで、学習内容と親和性の高い4年生が、そのプロジェクトを引き受けることとなった。まず、昨今のコロナ禍であることを鑑み、県庁の方にビデオをお送りいただき、本プロジェクトの概要を知った。次に社会科で、平城宮跡と、中興の祖である棚田嘉十郎の努力や願い、功績を学んだ。そして、実際に歴史公園南側地区及び、平城宮跡へオリエンテーリングに行き、自分の目で見ることにした。また、広大な平城宮跡の各ポイントにて、地域ボランティアの方に立っていただき、「私と平城宮跡」をテーマに、具体的なエピソードを語ってもらう場を設定した。その後、歴史公園南側地区に作ればよいと思うものを考え、県庁の方に教室までお越しいただき、聞いていただく場を設けた(写真)。

学習の途中から「今日の放課後、平城宮跡の遣唐使船に集合!」等と、平城宮跡は子どもにとって身近で、大事なものへと変わり、目標に設定していた「自分のまちを大事に思う子ども」へと近づいていることを実感することができた。

来年度の活動計画

既述のように、本校はコンピテンシーをベースとした、以下の切り口と子ども像を系統的に定めている。

・1、2年「自分のまわりのものを切り口に、自分や自分のまわりに関心のもてる子ども」

・3年「文化の継承を切り口に、自分の生活が文化の継承とつながっていることを考えられる子ども」

・4年「インフラを切り口に、自分のまちを大事に思う子ども」

・5年「環境問題を切り口に、自分の生活を見直すことのできる子ども」

・6年「SDGsを切り口に、持続可能な社会に向けて、自分にできることは何かを考えられる子ども」

来年度も、上記の系統性を踏まえつつも、学習内容は各担任の創意工夫によって変更を加えながら、計画・実施・評価・改善していきたい。