2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 国際理解, 福祉, 食育

本校は、「感動と創造の教育~夢をもって生きる子どもたち~」を学校理念として、ESDを伝統文化の継承と捉え、ESDの実践を通して人間性豊かで心身共に健康な感性と創造性にあふれる子どもの育成を目標とした。

具体的には、自力解決力、かかわる力、生き方あり方を考える力を養うことを柱に、①環境に係わる活動、②地域の伝統文化に係わる教育、③食育に係わる活動、④国際理解に係わる学習、⑤福祉に係わる活動を行った。

1.環境に関わる教育

5年生は、金沢の里山・奥山について調べた。キゴ山ふれあい研修センターの職員さんを学校に招き、里山にも奥山にも、そこにしか住めない生き物がたくさんいるということ、自然と共存するには自分たちの努力が必要だということについて学んだ。職員さんの「自然や生き物とふれあい、体験して楽しむことこそ、自然を大切にしたいという思いにつながる」という話を聞き、児童は驚きと感動を覚えていた。人間の手が入らないと死んでしまう自然もあるのだから、お互いのつながりを大切にして環境を守っていきたいという思いをもっていた。

2.地域の伝統文化に係わる活動

4年生は、金箔貼りや九谷焼体験をした。児童は、実際に職人さんの技を見て、細かなところまでこだわりぬく姿に感動していた。金沢や明成が誇る文化の豊かさや、伝統工芸品の美しさ触れ、これからも大切に守っていきたいという思いをもつことができた。

3年生は、地域に伝わる獅子舞について調べた。地域の獅子舞保存会の方々を学校に招き、獅子舞の歴史や道具、舞い方などについて教えていただいた。実際に舞う様子を見て、地域にはすばらしい伝統があることに気づき、自分たちも続けていきたいという思いを持つ児童もいた。

3.食育に係わる活動

5年生では、金沢の食文化を扱った。遠足では、ヤマト麹パークを訪れ、金沢の発酵食について調べたり、醤油ソフトクリームを味わったりして、金沢の食文化の豊かさを実感することができた。また、いきいき魚市場に行き、働く人の仕事を見たり、新鮮な水産物を間近で観察したりすることで、食の大切さを感じることができた。

3年生の1学期には給食の残量調査を行い、「食」に目を向けた。同時に、金沢に根付く食文化である和菓子について調べた後、和菓子作り体験をした。3学期は和菓子文化と結びつく『茶道』について、校区にお住まいの先生をお招きして茶道体験をした。本校にある明成の間という茶室で、礼儀や作法についても教えていただき、金沢の伝統文化を強く印象付けることとなった。

4.国際理解に関わる学習

6年生の2学期には、金沢に住む一員として、まず、金沢の伝統工芸、行事、建物など、金沢の町は国内外の観光客をどのようにして迎えているのかについて考えた。特に、金沢の名所である、金沢城、尾山神社、兼六園について詳しく調べ、秋の遠足では実際に名所に出向いた。まいどさんに案内していただき、金沢の名所の魅力をより感じることができた。そして、調べたことをもとに国内外の観光客に金沢の文化の魅力が伝わるような、紹介パンフレットを作成することができた。他国の文化の良さを理解するには、まず自国の文化の良さを実感し、自信をもって発信していくことが大切だと気付く児童もいた。

5.福祉に係わる活動

5年生は、地域のお年寄りと手紙や年賀状で交流を行った。コロナ禍で気軽に外に出ることができなくなったお年寄りを元気づけるために、温かい言葉やイラストを入れて書くことができた。このような交流をすることで、ボランティアのお年寄りに進んで挨拶をしたり、気持ちを考えて行動したりする姿が見られた。

来年度の活動計画

これまでよりも一層地域教材を活用していく。3年生は金沢の和菓子や地域の祭りである獅子舞踊りを、4年生は金沢の伝統工芸である金箔や九谷焼、加賀象嵌体験を実施することで、地域の伝統文化に触れさせる。5年生は金沢の食文化について漁業、農業の面から学習することで、金沢の食について関心を持たせ、実践していく力を養っていく。ボランティア活動にも目を向けさせたい。6年生は地域の学習を通して未来を創っていく金沢の一員としての姿を目指したい。

3学期には、学習したことをまとめ、発表する場『明成ユネスコ交流会』を実施し、各学年の交流をしていく。