2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「生きる力を育むESD」を活動テーマとして、様々なESD活動を系統的に見越したカリキュラム編成をしている。ESDを様々な「考え方」や「生き方」に出会い、「世界観」や「人生観」を広げるきっかけと捉え、ESDの実践を通して生きる力の育成を目標とした。

 今年度は、『持続可能な開発目標(SDGs)達成のために協働できる力』を柱に、①福祉と国際理解に係わる活動、②減災・防災に係わる活動、③平和教育に係わる活動を行い「発信できる中学生」の育成を目指し、実践を行った。

① 福祉に係わる活動(SDGsゴール3)

・高齢者疑似体験学習

 中区社会福祉協議会より講師を招き高齢化社会・福祉社会について講演をしていただくとともに、高齢者疑似体験用具を身にまとい、高齢者や支援の必要な方の日常生活を疑似的に体験した。

・福祉体験学習(高齢者施設での実習)

  少人数のグループに分かれ、市内8か所の福祉施設(デイサービスや特別養護老人ホームなど)へ2日間出向き、高齢者との関わり方を体験的に学んだ。また、そこで働く介護士などの苦労ややりがいを学びながら実習を行った。

② 国際理解に係わる教育(SDGsゴール11・17)

・国際協力の在り方について

 JICAを訪問し、青年海外協力隊の方より発展途上国の現状や、日本の国際協力の具体的な取り組みを紹介していただき、日本と途上国との関わりについて理解を図るとともに、広い視野で物事を考える学習を行った。

・アートマイル国際協働学習

 持続可能な開発目標(SDGs)のゴール11「住み続けられるまちづくりを」を学習テーマに、海外の相手校(ベルギー)と交流を深めた。自分たちが暮らしている地域の魅力と課題を調べて発表したり、学校の側を流れる「堀川」の生態系や環境問題についてに、屋形船に乗って調査したりする活動を行った。自分たちの街を「住み続けられるまち」にするための提案を、交流先のベルギーの中学生と意見交換をし、文化背景が違う相手との学び合いの中から生まれた想いを絵に込めて壁画を共同制作した。
 また、文化交流として、お互いの学校生活の様子や地域の観光名所を紹介する動画を作成して、交換した。さらに、壁画を送る荷物には、平和の象徴である「折り鶴」や幸せを呼ぶ「七福神」、けん玉やだるま落としなどを同封し、日本の文化を紹介した。

③ 減災・防災に係わる活動

・地域の防災マップ作り

防災ボランティアと一緒に、学校で避難所の設置訓練をしたり、避難所運営ゲームを行ったりした。さらに、地域の行政の防災担当者や警察、消防などと連携して学区のフィールドワークを行い、中学生の視点で地域防災マップを作成した。学校外でもこれまでの減災・防災学習の成果を発表し、地域の方に発信をした。

・他校との交流

減災・防災学習を進めている神戸市と陸前高田市の中学校と、動画などを使って交流を続けており、互いの学校生活を紹介し合ったり、一緒に歌を歌ったりした。
 3年生は修学旅行で神戸市の中学校を訪問し、直接交流することができた。地域の方と積極的に防災活動に取り組んでいる生徒と交流することで、災害時には自分たちが地域の力となる意識を高めた。
④ 平和に係わる活動

・修学旅行で広島へ

名古屋市立の中学校として、初めて広島に修学旅行に出かけた。2年生の時から平和学習を進め、実際に広島を訪問することで、学習を深めることができた。全校に協力を仰いだ「折り鶴」を奉納し、平和への願いを強めた。
 また、模造紙を使用して大きな鶴を作成し、そこに平和へのメッセージを記入した。学校の玄関に展示し、保護者や訪問者にも平和への願いを発信した。
 

来年度の活動計画

今年度の活動を基盤にし、各学年でさらに学習を進める。「国際理解」「福祉」「減災・防災」「平和」をキーワードに、国内外の学校との交流を続けながら、地域の方々と協力し、よりより世界を築く担い手を育てていきたい。