2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

本校がある熊野町は,広島県の西部に位置し,毛筆,画筆,化粧筆等,全国シェアの80%を超える日本一の「筆の都」として栄えている。また,子どもたちの「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」を育むため,町内小・中学,高等学校と校種を越えた連携を深め,9年間,12年間を見通した取り組みを行っている。具体的な取組みとして筆の歴史や郷土の学習を通して,ESD実施に必要な観点である「他人との関係性,社会との関係性を認識し,「関わり」,「つながり」を尊重できる個人を育むために,地域の文化・伝統について学び,自らの問題として捉え,主体的・対話的で深い学びの視点で「体系的な思考力」「コミュニケーション能力」を育成するために,各学年の総合的な学習の時間,各教科の学習,その他の教育活動や地域行事等で教科横断的な指導計画を立て,取組を進めている。

また,人格の発達や判断力などの人間性を育むために,人との関わりから自己理解を深め,自分の将来を見つめ直し,様々な視点で考えることができることを目的としている。

1学年で「自分の将来を想像し,自分の生き方を考えよう」をテーマに,自分の適性を知り,職業を調べ,自分年表(ドリームマップ)を作成する。また,完成した自分年表を基に,今の自分に必要な力を分析しそのための取り組みを具体的に考え,決意表明をすることを目的とした発表を行う。さらに,「熊野の伝統・文化を体験し,熊野のよさを語ろう『魅力 再発見!“Cool Kumano“』」をテーマに,様々な角度から熊野町を調べ,熊野町の魅力を再発見するために,取材を通してガイドブックを作成させることで,「熊野」を知り,地域の一員としてわが町「熊野」に誇りをもち,主体的・協働的に学習に取り組む。

2学年で「地域の伝統産業を知る学習から,自分のできることを考えよう」をテーマに,熊野筆をPRする学習活動を通して,働く人の様々な思いや考え方を感じ取り,将来の働く自分を見通し,その成果を生活の中で生かす。また,「世界に発信したいメッセージを考える」をテーマに,広島県に住んでいる私たちができることを平和学習を通して,課題や継承する意義等,様々な問題を自分の日常生活と関連付けて考えさせることで,関心や疑問を探究し,根拠を明確にして自分の考えを表現する力を身に付けるとともに,地域の一員として,主体的・協働的に学習に取り組む。

3学年で「将来を見つめ,自分の生き方を考えよう」をテーマに,自分を様々な観点から見つめて分析させ,課題を発見させるとともに,具体的な人生観や職業観を身に付けさせ,将来にわたって,持続可能な社会づくりの担い手として活躍できる人材になることを目指そうとする態度を養う。また,「熊野町を見つめ,よりよい町作りを目指して地域提案をしよう」をテーマに,SDGsの視点から地域の課題を発見し,その課題を解決したり,熊野町をより良くするアイデアを考え,地域の方に提案したり,実行したりすることを通して,地域の一員として,主体的・協働的に学習に取り組む。

来年度の活動計画

地域の未来について考える取組を,カリキュラム・マネジメントを実践して進めているが,新型コロナウイルス感染症への対応のため,活動ができないものが多くあった。 来年度は,今年度できなかった活動で実施可能なものを,これまでの計画を基に行っていく予定である。

ただし,計画どおりにならないこともあるので,今年度の取組も反映して「地域の課題と向き合い,それを解決していく態度」を生徒がより身に付けていくことができるように,内容を十分検討して,見直しを図っていく。