2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費

本校は、「豊かな人生を自らデザインできる自立した女性の育成」を教育ビジョンとして掲げ、SDGsの学習をキャリア教育の一環ととらえ、SDGsの実践を通して持続可能な社会の市民としての態度を育成し、知識や技能を身につけさせ、グローバル社会で活躍できる能力を引き出すことを目標とした。具体的には、①日本の自然・文化の理解、②異文化理解、③教科横断的学習「みらい科」の取り組みを行った。

①日本の自然・文化の理解

 本校では中学生に華道、茶道の授業、高校生には文楽や歌舞伎の鑑賞行事を行っている。日本の伝統文化を理解し尊重する態度を育成している。今年度においても生徒はこれらの授業や行事を通して、日本の伝統文化に対する造詣を深めた。このように生徒が日頃から日本の伝統文化に触れる機会をもっていることや、実際に実践できる知識や技術を身につけていることは、本校で展開している各種海外研修プログラムにおける現地生徒との交流で力を発揮することにつながっている。

②異文化理解

 従来から実施してきたニュージーランドでの語学研修に加え、同じくニュージーランドでの3か月留学の参加者が増加している。また、2017年度よりはじまった中学2年生のアイルランド修学旅行では、本校の生徒による日本文化の紹介(折り紙や英語の名前を漢字で書いてあげるパフォーマンス、東京の観光地紹介)、アイルランドの生徒によるアイリッシュダンスや音楽の披露を通して、双方の文化交流を行った。また、本校にもタイからの年間留学生の他、ニュージーランド、アイルランドからの短期留学生の受け入れを行い、日常生活の様々な場面での異文化理解が促進された。今年度もオーストラリアや韓国からの学校訪問があり、本校の授業に参加したり、生徒と一緒にランチをとり交流を深めるなどを行った。このような行事を通して生徒は異文化に対して心理的な垣根をもたずに接することのできる姿勢を身につけている。
さらに、アフガニスタンの女の子を主人公とした映画を題材に、全校の希望者を対象に「世界一大きな授業」の教材を用いたワークショップや、映画を作成したアイルランドのアニメーション工房とスカイプでつないで、監督にインタビューする機会にも恵まれた。

③教科横断的学習「みらい科」の取り組み

中学1年生~高校2年生を対象に開講されている「みらい科」では、SDGsへの理解を深めるだけでなく、ユネスコスクールが提唱している「21世紀の学習の4本柱」の理念をいかした実践を行っている。中学1年生は樹木医を招いて「樹の健康診断」を学び、学校周辺の桜の木の健康チェックを行うフィールドワークを実施した。中学2年生では本校卒業生の戦争体験の聴講をはじめとする平和学習、中学3年生では途上国の女子教育といったテーマを設け、専門家による講演や生徒による調べ学習などを行った。高校生では個々の興味関心に対して調査し考察する「みらい論文」に取り組んでいる。
今年度は防災教育にも取り組み、全校生徒を居住地域別に集め、ハザードマップを見て避難経路を確認したり、関東大震災の被害状況から今後の対策を考えるなどした。

上記以外にも、食育の時間を新設し、「食品ロスを減らそう」「受験生に必要な栄養を学ぼう」など学年ごとのテーマに沿って学んだ。

来年度の活動計画

上記①〜③の内容を充実させるほか、食育にさらに力を入れていく。
また、2020年は本学園の115周年記念であり、「社会貢献の一年」を周年記念事業として取り組むことになっている。これまでの各取り組みを、机上の学びだけでなく、実践の機会につなげていく。