2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 健康, 食育, 貧困

当園は、「キリスト教保育」を根底の理念として、ESDを人格形成の基礎と捉え、ESDの実践を通して子どもたちの生きる力の育成を目標としている。

具体的には、環境教育、国際理解、地域交流を柱に、収集・再利用に係わる活動、異文化に係わる教育、地域交流に係わる学習、栽培・生命に係わる学習に力を入れた。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止(3密回避等)にも努めながら、子どもたちが本来得るべき経験が損なわれないよう工夫を行った。

収集・再利用に係わる活動

キャップ・リングプル・古切手・書き損じはがきの収集を呼びかけ、各家庭から持ち寄った収集物を子どもが自分で仕分けを行っている。ユネスコタイムという時間の中でそれぞれの収集物がどのようにリサイクルに繋がっているか、被災地や発展途上国への支援に役立っているか学び、世界状況を知るきっかけとなっている。また、普段捨ててしまうような空き箱やラップの芯など廃品を各家庭から集めて、工作活動に利用している。さらには牛乳パックから紙を作ってみたり、想像を膨らませながら自由に創作したり、簡単なおもちゃや食べ物に変身させて、“こはんまつり”でお買い物ごっこを楽しんだ。子どもたちと再利用方法を共に考え創り上げることで、ユネスコスクールとしての身近な活動への意識が高まっている。

異文化に係わる教育

国際理解を深める学びとして、アメリカ人講師による『えいごあそび』を年間に渡り継続して取り組んでいる。英語の習得にとらわれず、日本人以外の人と触れ合うことにより、自分たちとの違いに気づき親しみを持つことを通して、異文化に対しての関心を深めることができた。又、運動会時期には世界の国旗に触れ、国旗塗り絵や絵本等を通して国の名前やそれぞれの文化・言葉を知り、世界の人々と共に一つの地球で生きていることを学ぶ基礎作りとなっている。

地域交流に係わる学習

近年、都市化や少子化、情報の進展による影響で身近な人々との交流の減少やコミュニケーション不足による問題が取り上げられている中、幼い時期からの積み上げが大切と考え、挨拶することや言葉を交わす大切さが育つように継続的に取り組んできた。例年、町内会の方が子どもたちの登園を出迎え挨拶を交わすあいさつ運動や近隣に住む人々へ収穫物のプレゼント、介護施設の方々との継続的な交流など年間を通して行われていたが、近年はコロナの影響から活動できていないものもある。直接的なやりとりが難しい中での工夫として、互いに様子を撮影して動画を送り合い、リモートで会話の機会を作るなど形を変え、交流を深められるようにしている。少しずつ制限が緩和されつつあるため、交流の機会を増やせるよう今出来ることを模索しながら今後も進めていきたい。

 

栽培・生命に係わる学習

ユネスコスクールの加盟校である教育大学釧路校やご厚意で近所の方から借りた畑で、地域交流を図りながら豊かな栽培活動を行っている。各学年でも自園の畑で様々な作物を栽培、収穫したのち、各家庭に持ち帰り保護者と共に調理したり、給食として提供して美味しくいただくなど食事の楽しさを感じてもらえるよう活動を進めながら、命の恵みをいただいていることを学ぶ機会となっている。各保育室では金魚・亀・山椒魚・メダカなど様々な生き物を飼育し、生命の大切さや尊さを学ぶ機会としている。2月には釧路シャケの会から預かり受けた卵を育てる里親事業に参加。釧路川の再生に協同するなど地域の自然にも目を向けている。

 

昨年の3月には新園舎が完成し、2022年4月から幼稚園型認定こども園として新たなスタートを切った。地域性“を生かした自然がある園庭づくりを目指し、一昨年からリモートで2度に渡る「子どもの心とからだ~運動あそび、感覚統合」に着目した教師の研修でご尽力いただいた東京芸術大学の講師にアドバイスをもらいながら計画を進めてきた。既存の遊具だけでなく、その土地を生かした遊びを展開するために園舎を囲む坂を利用し、ロープ上りやそり滑りなど豊かな外遊びが行われている。3月には「運動遊びと質の向上と」と題し研修を行う予定である。コロナ禍ということから、リモートなどで形を変えて活動を行っているものの積極的な活動が難しい局面に立たされている中で、自分たちに何ができるのか今一度考え、質の高い教育、教師の学び、園における子どもたちの安全で健康な環境づくりを目指して、さらなる保育の質の向上に努めていきたい。また、今後は地域の文化や伝統、民族など自分たちが暮らす地域社会に目を向けて活動を進めたい。どのような歴史の中で暮らし現在に至るのか過程を知り、その多様な文化を受け入れつつ理解と認識を深めながら偏見や差別のない社会の構築を目指して、今私たちに出来ることを考えていきたいと思う。

来年度の活動計画

自分たちに何ができるのか今一度考え、質の高い教育、教師の学び、園における子どもたちの安全で健康な環境づくりを目指して、さらなる保育の質の向上に努めていきたい。

特に地域の文化や伝統、民族など自分たちが暮らす地域社会に目を向けて活動を進めたい。どのような歴史の中で暮らし現在に至るのか過程を知り、その多様な文化を受け入れつつ理解と認識を深めながら偏見や差別のない社会の構築を目指して、今私たちに出来ることを考えていきたいと思う。