2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

福祉, 健康, 食育

当園は、「キリスト教保育」を根底の理念として、ESDを人格形成の基礎と捉え、ESDの実践を通して子どもたちの生きる力の育成を目標としている。

具体的には、環境教育、国際理解、地域交流を柱に、①収集・再利用に係わる活動、②異文化に係わる教育、③地域交流に係わる学習、④栽培・生命に係わる学習に力を入れた。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止(3密回避等)にも努めながら、子どもたちが本来得るべき経験が損なわれないよう工夫を行った。

① 収集・再利用に係わる活動

キャップ・リングプル・古切手・書き損じはがきの収集を呼びかけ、各家庭から持ち寄った収集物を子どもが自分で仕分けを行っている。 “ユネスコタイム”という時間の中でそれぞれの収集物がどのようにリサイクルに繋がっているか、被災地や発展途上国への支援に役立っているか学び、世界状況を知るきっかけとなっている。積極的な収集や、普段捨ててしまうような廃品を利用した工作活動においても、子どもたちと再利用方法を共に考え創り上げることで、ユネスコスクールとしての身近な活動への意識が高まっている。

② 異文化に係わる教育

国際理解を深める学びとして、アメリカ人講師による『えいごあそび』を年間に渡り継続して取り組んでいる。英語の習得にとらわれず、日本人以外の人と触れ合うことにより、自分たちとの違いに気づき親しみを持つことを通して、異文化に対しての関心を深めることができた。又、運動会時期には世界の国旗に触れ、国旗塗り絵や絵本等を通して国の名前やそれぞれの文化・言葉を知り、世界の人々と共に一つの地球で生きていることを学ぶ基礎作りとなっている。

③ 地域交流に係わる学習

例年、町内会の方が子どもたちの登園を出迎え挨拶を交わす“あいさつ運動”や近隣に住む人々へ収穫物のプレゼント、介護施設の方々との継続的な交流など年間を通して行われている。近年、都市化や少子化、情報の進展による影響で身近な人々との交流の減少やコミュニケーション不足による問題が取り上げられている中、幼い時期からの積み上げが大切と考え、挨拶することや言葉を交わす大切さが育つように継続的に取り組んできた。 しかし今年度は、新型コロナウイルス感染症による影響から直接の対面ができなかった。そのため、互いに様子を撮影して動画を送り合い、リモートで会話の機会を作るなど形を変え、交流を深められるよう工夫した。

④ 栽培・生命に係わる学習

ユネスコスクールの加盟校である教育大学釧路校やご厚意で近所の方から借りた畑で、地域交流を図りながら豊かな栽培活動を行っている。各学年でも自園の畑で様々な作物を栽培、収穫したのち、各家庭に持ち帰り保護者と共に調理したり一緒に食べたりする楽しさを感じてもらえるよう活動を進めながら、命の恵みをいただいていることを学ぶ機会となっている。各保育室では金魚・亀・山椒魚・メダカなど様々な生き物を飼育し、生命の大切さや尊さを学ぶ機会としている。3月には釧路シャケの会から預かり受けた卵を育てる里親事業に参加。釧路川の再生に協同するなど地域の自然にも目を向けている。

 

今年度は、新園舎が建て替えとなり、子どもたちとどような園舎にしたいか想像を膨らませながら期待を寄せていた。3月に無事竣工となり新園舎での保育がスタートしている。今後、外構工事も行う中で”地域性を生かした自然がある園庭づくり”を目指し、一昨年からリモートで2度に渡る「子どもの心とからだ~運動あそび、感覚統合」に着目した教師の研修でご尽力いただいた東京芸術大学の講師にアドバイスをもらいながら計画を進めていきたい。コロナ禍ということから、リモートなどで形を変えて活動を行っているものの積極的な活動が難しい局面に立たされている中で、自分たちに何ができるのか今一度考え、質の高い教育、教師の学び、園における子どもたちの安全で健康な環境づくりを目指して、さらなる保育の質の向上に努めていきたい。

来年度の活動計画

昨年度に引き続き、保育の質の向上を目指し教師の研修を行う。また、子どもたちの一番身近にある園庭や公園など限られた自然を上手に活かすことが出来ていない現状の中から、近年の子どもたちを取り組む環境全般に着目し、よりよい環境の中で豊かな成長を促し、人や自然と調和しながら生きるための基礎を培う。2022年3月に竣工した新園舎において、地域性を生かした”自然”がある新園舎の『園庭づくり』のため、大学教授のアドバイスを受けながら計画を進める。