2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 環境

岡山市立小串小学校では,小串地域の自然,産業,歴史等を,各学年(複式学級)の実態や学習課題に即して実地調査(学区探検)を中心とした探求活動を展開し,海と共生してきた小串地区の特色に目を向け,地域を愛し,地域と生きる児童の育成に取り組んだ。
具体的には,「再発見小串」をテーマに,①地域の自然や人,歴史に関わる内容,②海をきれいにする活動,③海を豊かにする活動に関する学習を行った。
① 地域の自然や人,歴史に係わる活動
1・2年生では,日常的に身の回りの動植物の採取・観察等の地域の自然に親しむ活動に取り組んだ。また,地域住民と野菜の栽培や収穫に取り組む体験を通して,農作業について興味をもったり,収穫の喜びを味わったりしながら,地域との交流を深めた。
3・4年生では,近隣の海岸(砂浜・干潟)での生き物調査や釣り体験,学校林の植生調査,地域の方々への聞き取りなどの活動を通して,地域の自然の豊かさや地域の発展などの歴史への知見を深めた。
5・6年生では,地域の漁業関係者や専門家から地域の海の現状について学ぶことで,地域の海の魅力や課題に触れ,海洋環境保全や地域産業について考察した。
② 海をきれいにする活動
地域住民の協力を得て,海面清掃活動へ参加し,地域の海洋環境の実態や環境保全に取り組む人々の思いや願いについて学習した。また,児童らの居住地付近の海岸清掃活動に取り組み,自分たちにできる環境保全活動について考察した。
③ 海を豊かにする活動
アマモの花枝の結束作業から始まり,自分たちが播種・育成したアマモの苗を地元の海(相引海岸)に戻すという「豊かな海の再生」に関する象徴的な取り組みを行うことで,自分たちの手で小串の海を再生していこうとする態度を培うことができた。
それぞれの活動で専門家や地域漁業関係者の考えを聞き取る活動を充実させたり,他教科学習内容と関連させたりすることで,活動したことを関連づけ,学びを深めることができた。活動成果については,学習発表会や他校とのリモート授業等により校内外へ発信し,考えを広めることにも取り組んだ。
体験活動を学校と地域が連携・協力して行うことで,児童が地域への親しみや関心をより深めることができた。また,様々な取り組みをESDという視点で結びつけて考えられるようになってきた。

来年度の活動計画

本年度の活動を継続し,「再発見小串」をテーマに,①地域の自然や人,歴史に関わる内容,②海をきれいにする活動,③海を豊かにする活動に取り組む。
1・2年生では,身近な人々の生活や仕事から,地域の特質にふれ,そのよさを味わう活動を充実する。「おいも名人とサツマイモを作ろう」「畑仕事をやってみよう」など
3・4年生では,地域の自然や施設等の現地調査活動をもとに,地域の特質を理解し,そのよさへの知見を深める活動をさらに充実させる。「小串地域を探検しよう」「小串の海や山の生き物のつながりを調べよう」など
5・6年生では,アマモ育成活動や海洋環境の現状についての学習を深め,地域から地球規模の環境問題へと目を向け,地域でできる貢献活動に取り組む活動を充実する。
「アマモ再生活動」「海面・海岸清掃活動」など