2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 持続可能な生産と消費

 本校は、「地域から学び、他者と協働しながら、主体的に活動できる生徒の育成」を基本方針に、学校目標である「人間性豊かな菊井中学校生徒の育成」に重点を置いて実践を行った。ESDについては、防災教育、地域との協働、社会貢献、学び合い・支え合いを通して問題解決能力を育む機会と捉え、ESDの実践を通して、持続可能な開発に関する価値観(人間や環境の尊重)、体系的な思考力(問題や現象の背景の理解、多面的かつ総合的なものの見方)コミュニケーション能力及びリーダーシップの向上を目標とした。具体的には、特別活動、学級活動、教科指導、道徳指導、総合的な学習の時間を柱に、①ESDについて知る活動、②陸前高田市との交流活動に取り組んだ。
① ESDについて知る活動
 4月の環境学習ウィークを活用し、ESDやユネスコスクールに関する啓発を行った。全校集会では、ESDの概論や、名古屋市の環境問題に対する取り組みについて、生徒会執行部が、プレゼンテーションを行った。また、本校のESDと関連する生徒会活動(残飯減量活動、エコキャップ運動、緑の羽根募金、陸前高田市との交流活動)についても紹介を行い、全校生徒で「自分にできること」を考えて取り組んでいくことが、活動を推進していく大きな力になることを強く呼びかけた。
② 陸前高田市との交流活動
 本校では、東日本大震災の翌年から、岩手県陸前高田市との交流事業を行っている。今年度は、有志生徒で「陸前高田交流ボランティア」を組織し、現地の中学校や仮設住宅との交流活動、復興支援を呼びかける活動に取り組んだ。
 1学期には、学区の商店街の方々にご協力をいただき、商店街の七夕祭りに、陸前高田市のマスコットキャラクターをモチーフにした張りぼて作品を出品した。
 2学期には、西区のお菓子まつりに「菊中商店」を出店する計画を立てた。地域で製菓業を営む協賛企業に提供をしていただいたお菓子を袋詰めして、「がんばっぺし菓子」(※がんばっぺし=陸前高田市の方言で共に頑張ろうという意味)」を全校生徒で制作した。また、陸前高田市の商品も店頭に並べ、がんばっぺし菓子とともに販売をしたことで、東日本大震災に関することがらや、陸前高田市、そして西区のPRを行い、祭りの訪問者に支援を呼び掛けた。「菊中商店」の収益金を元に、再度地域の製菓会社からお菓子を購入し、「がんばっぺし菓子」を制作した。
 その後、交流先の陸前高田市立高田第一中学校と陸前高田市立高田東中学校、米崎中学校仮設住宅の皆様に、メッセージカードと共に送付した。陸前高田市のみなさんからは、お便りをいただき、菊井中学校の活動の感想や現地の現状について情報をいただいた。

来年度の活動計画

 陸前高田市との交流活動を通じて、他者を思いやる心を育む教育活動や、防災・減災について学びを深めることのできる教育活動に取り組んでいきたい。具体的な取り組みとして、①年間を通じて、思いやりや防災・減災に関する資料を読む機会を定期的に設ける②地域の資源(人材、企業、行事等)を活用し、協働する機会を設ける③生徒自身がESDに関わる活動を計画・実行することのできる場の提供を計画している。これらの活動を通じて、他者と協働し、学びを深めながら校内外に発信力のある生徒を育成していきたいと考えている。