2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, エネルギー, 国際理解, その他の関連分野

本校ESDは「グローバルな視点を持って地域社会の創造に貢献する志と実践力を兼ね備えた人材育成~実感を伴い,行動につなげるESD計画の開発を目指して~」をテーマとして取り組んでいる。本校での学びが小中学校から取り組んできた「地域と連携したESD」の最終段階となることを意識し,①探究型学習,②国際理解学習,③地域連携学習を通してグローバルリテラシー(以下GL)を育成し,自らの進路を探究的に学習する「志教育」へと結びつけることで,持続可能な社会を創造する志と実践力を兼ね備えた人材を育成するカリキュラム開発に取り組んでいる。
① 地域と連携した学びの最終段階を意識した探究型学習
学校設定科目「地域社会研究(1年)」「課題研究Ⅰ・Ⅱ(2・3年生創造類型)」を中心とした探究型学習では,SDGsと研究の必要性・実効性・主体性を意識させ,地域課題研究から世界課題研究へと発展させ,実感のある研究を進めながらGLの育成を目指している。また,教員の授業力や探究活動の指導力向上を目的とした研修会や授業研究会を実施し,探究型学習とリンクする教科指導マネジメントにも取り組んだ。
② グローバルな視点を持って課題解決を考えるための国際理解学習
市内には技能実習生や結婚後に移住した多くの外国人が住んでおり,これまで各種の交流活動を行ってきた。今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたが,その中でも外国人講師を招聘した国際理解のための講演会を実施し,防災フォーラムなどの対外行事に参加した。この他,本校独自のC-cube活動,スカイプ交流,台湾の高級中学とのオンライン交流などの活動を通して,グローバルな視点で考える資質と英語運用能力の育成に取り組んだ。
③ 学びを行動につなげるための地域と連携した学習
1年生のフィールドワーク(以下FW)では市役所や地元の企業・NPO法人等を訪問し,地域の現状や課題を学べる体制を整えた。成果発表会には大学教授などを招き,ポスターセッションで議論できる場も設定している。この他,FWアドバイザーの委嘱,市や消防署と連携した防災学習,小中学生との生徒間交流などESD活動の成果を実践へと繋げるための体制を整えた。

来年度の活動計画

「グローバルな視点を持って地域社会の創造に貢献する志と実践力を兼ねた人材育成」をテーマとしたカリキュラム開発も,今年度でひとつの区切りを迎えた。これまでの取り組みを踏まえ,以下の2つを充実させたい。まず,交流・連携であるが,台湾との交流については,新型コロナウイルス感染の状況を注視しながらも,直接交流の可能性を模索しながら,オンライン交流を一層充実させ,長期にわたって有意義な交流が図られるよう努力していきたい。また,国内外のユネスコスクールとの連携構築に取り組むことで,グローバルな視野をさらに広げていきたい。2つ目は,東日本大震災の経験を生かしたAL型防災学習を発展させ,発災時の自律的思考力・組織的対応力の向上を図るとともに,関係機関との連携を図り,防災学習の成果を国内外に多く発信していきたい。