2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等

当校は、「大切にしたいふるさと 受け継がれてきた絆」を活動テーマとして、ESDを地域とのかかわりを通して金沢の未来を考えることと捉え、ESDの実践や対話を通した「もの」「こと」「ひと」に対する深い理解の力の育成を目標とした。

具体的には、「主体的な学びを促す単元構成の工夫」、「対話的な学びを促す指導の工夫」、「学びに向かう力を生み出す評価の在り方」を柱に、①地域の伝統文化に関わる活動、②地域の環境資源に関わる活動、③他者に関わり対話を通して学習する活動を行った。

① 地域の伝統文化に係わる活動

本校では3年生で和菓子を、4年生で加賀友禅を学ぶ。3年生では金沢市が15年以上も連続で和菓子消費額全国1位であるということや、校区にたくさんの和菓子屋があることから金沢の人々の生活に根付く和菓子・おもてなしの心について知った。それと同時に和菓子の消費額が年々減っていることから和菓子文化を大切にしたいという思いを持ち、自分たちが和菓子のよさを家庭や地域の人・観光客などに発信した。4年生では校区にたくさんの友禅作家が住むことを知り、加賀友禅に興味を持ち、調べたり、作品を作ったりする中で地域の伝統文化に親しみを感じ、加賀友禅の継承の為に金沢の一員として自分ができることを考え、観光客に良さを発信した。

② 地域の環境資源に係わる活動

本校の校区には浅野川が流れている。川が近くにあるということ、4年時には加賀友禅燈篭流しを経験していることからも浅野川を身近に感じている児童はとても多い。そこで5年生では浅野川の実態について調べ、自分たちの「たから」と思える川にしようというテーマで活動をした。浅野川の調査を進め、きれいであるが、ゴミが落ちていて改善の余地がある川だということが分かった。その後、浅野川の実態や魅力を観光客や地域住民に発信した。発信結果を受け、浅野川がいつまでも金沢のたからであり続けることができる方法を探ることにつながった。

③ 他者に係わり対話を通して学習する活動

旧味噌蔵町小学校から続く、姉妹校名古屋市立荒子小学校との交流の際に、金沢市の魅力を伝えることでずっと続いてきた絆を受け継ごうというテーマで6年生が活動した。これまでの体験を通して知った金沢の魅力を厳選し、取材活動を重ね、荒子小学校の修学旅行のガイドをした。交流当日に荒子小学校の児童と対話することはもちろん、事前の取材の段階で、まいどさんを含む地域の方、金沢を選んで遠方から来ている観光客とも対話をすることで金沢の魅力を再発見・再認識し、新たな友とのかけがえのない出会いにも喜びを感じていた。

来年度の活動計画

 令和2年度の活動は、前年度に前学年で行っていた活動と新しい学習活動とをつなげたり、一つ上の学年から活動要請があったりするなど、学年毎に途切れるのではなく、全学年を通したつながりのある活動を実践していきたい。

 地域とのかかわりをさらに意識してカリキュラムを構成し、今年度以上に、地域の「もの」「こと」「ひと」と関わらせられるよう、人材や教材の開発にも取り組んでいきたい。また、自身の課題解決のための手段として、思考ツールや対話の視点を与え、考える手助けとなるように取り組みたい。 最後に児童が自分の学びや成長を自覚するための振り返りについても、相互評価と自己評価を使う場面を見きわめて使い分ける等、次の学びに向かう力を生み出す評価の在り方について考えていきたい。