2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本校は、「大切にしたいふるさと 受け継がれてきた絆」を活動テーマとして、ESDを地域との関わりを通して金沢の未来を考えることと捉え、ESDの実践や対話を通して「もの」「こと」「ひと」に対する深い理解の力の育成を目標とした。

具体的には、「主体的な学びを促す単元構成の工夫」、「対話的な学びを促す指導の工夫」、「学びに向かう力を生み出す評価の在り方を柱に、①地域の伝統文化に係わる活動②地域の環境資源に係わる活動③他者との係わりを通して学習する活動を行った。

  • 地域の伝統文化に係わる活動

本校では、3年生で和菓子、4年生で加賀友禅を学ぶ。3年生では、金沢市が15年以上も連続で和菓子消費額が全国で1位であるということや、校区にたくさんの和菓子屋があることから金沢の人々の生活に根付く和菓子・おもてなしの心について知った。また、和菓子作りを体験することで、さらに和菓子作りの魅力や職人の方の工夫を知ることができた。それと同時に和菓子の消費額が年々減っていることから和菓子文化を大切にしたいという思いを持ち、自分たちで和菓子の良さを家庭や地域の人々に発信しようとPR活動に取り組んでいる。4年生では、校区にたくさんの友禅作家が住んでいることを知り、加賀友禅に興味を持ち、調べたり、作品を作ったりする中で地域の伝統文化二親しみを感じ加賀友禅の継承のために金沢の一員として自分ができる事を考え、家族や地域の人々に良さを伝えたいと、活動に取り組んでいる。

  • 地域の環境資源に係わる活動

本校の校区には浅野川が流れている。川が近くにあるということ、4年時に加賀友禅の学習で地域にながれる川が人々の暮らしや伝統文化を支えてきたことを学んでいることからも浅野川を身近に感じている児童はとても多い。そこで5年生では浅野川の実態について調べ、地域の誇れる川にしようというテーマで活動をした。浅野川の調査を進め、きれいであるが、ゴミが落ちていて改善の余地がある川だということが分かった。3学期には、自分たちの見つけた浅野川の良さがいつまでも続いていくように、自分たちにできる事を探る活動につなげていく。

  • 他者との係わりを通して学習する活動

金沢の魅力とは何かを考える学習を進め、未来に残していきたい伝統文化や町の施設等を考えた。学習を進めていくうちに、沢山の伝統文化や施設のある金沢は、とても魅力ある町であるという意識が生まれた。この魅力ある金沢を今以上に多くの人に知ってもらうために自分たちに何ができるのかを考えている。

来年度の活動計画

令和4年度の活動は、前年度に前学年で行っていた活動と新しい学習活動をつなげたり、一つ上の学年から活動要請があったりするなど、学年毎に途切れるのではなく、全学年を通したつながりのある活動を継承して実践していきたい。

地域との係わりをさらに意識してカリキュラムを構成し、今できる活動の中で、地域の「もの」「こと」「ひと」と関わらせられるよう、人材や教材の開発にも取り組んでいきたい。また、自身の課題解決のための手段として、思考ツールや対話の視点を与え、考える手助けとなるように取り組みたい。

最後に、児童が自分の学びや成長を自覚するためのふり返りについても、相互評価と自己評価を使う場面を見極めて使い分ける等、次の学びに向かう力を生み出す評価の在り方について考えて行きたい。