2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 人権, ジェンダー平等

本校では今年度より「国際教養科」という学科が新設され、より専門的で深い学びを実施することが可能となった。 刈谷北高校としては、1年生の国際教養科生徒や2・3年生国際理解コース生徒に対して実施するESDと学校全体に対して実施するESDと、大きく2つに分けてESD活動を実施している。
まず1年生国際教養科では姉妹校である韓国のユネスコスクールとのSDGs交流授業を実施した。SDGs17のゴールのうち、貧困や飢餓、教育やジェンダーなどのテーマを選択し、班ごとに研究を進め、スカイプを通じて生中継の授業で成果を発表しあうという形で行った。カルチャーボックスや手紙の交換、スカイプによる相手の顔を見ながらのやり取りを通じて、政治的な緊張や国家間の摩擦に関係なく、同じアジアに生きる若者同士理解しあい、友情をはぐくむことができた。また、韓国の生徒の意識の高さに触れ、生徒のモチベーションが高まった。
2年生の国際理解コース生徒に対しては、学校ESDとして約6時間、SDGsに関する特別授業を実施した。ユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトによる補助を得て、地元のNPO法人であるNIEDの協力を受け、ワークショップを実施した。生徒はこれまでにもSDGsについて学んできてはいたものの、ワークショップを通じて改めて学び、考えることによって、それらの課題が自分たちに無関係なものでは決してないことを実感し、それらを解決していくために自分たちが大きな役割を果たしていきたいと考えるようになった。
学校全体に対しては、地域と連携した防災事業を実施した。地域の方々に、本校の体育館を使って防災訓練をしていただき、本校生徒もボランティアとして参加することによって、地域とのつながりの大切さ、いざという時にどう動けばよいかなどを学ぶ貴重な機会となった。また、全校生徒に対する国際理解講演として、公益財団法人アジア保健研修財団事務局長 林かぐみ氏による講演「What is the Best Thing for Them」を実施した。

来年度の活動計画

来年度は国際教養科2年生の学習活動をより一層充実させるための準備・計画を進めている。
1つは5月に予定されている海外修学旅行(シンガポール)における南洋理工大学との交流である。日本国内のSDGs達成状況などに関するプレゼンを英語で行い、質疑応答を通してシンガポールの学生と交流を深める予定である。単なる日本の紹介でとどまることなく質の高い交流が実現できるよう準備を進めていきたい。
もう1つは2年生で開始される「国際理解」という設定科目の準備である。これは理科・地歴公民科・英語科の教員がティーム・ティーチングで「人権系の課題」と「環境系の課題」を扱い、それぞれの課題について正しい背景知識を学んだ上で自分が調べたことや意見を発表したり交換したりすることを目指した授業である。英語と別の教科の学習を組み合わせて行うCLILという学習形式をとる予定であり、そのための独自教材の開発を現在進めているところである。