2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は,平成29年度より,総合的な学習の時間で「まちづくり」を大テーマに学習に取り組んでいる。自分たちが生まれ育った「まち」を題材に,「まちを知り,どのようなまちを目指し,そのためにどうしていけばいいのか」という課題を設定し,「防災のまち」「福祉のまち」「海のまち」の3つの視点を柱に探究的な学習を行っている。本校のESDとして,課題発見と課題解決の機会を設定し,各テーマを追究させながら自らの生き方について考えさせ,自覚させる中で,思考力・判断力・表現力を伸ばすことをねらいとしている。

①1学年「防災のまち」に係わる活動

1年生では「防災のまち」をテーマに取り組んだ。地域にある「東日本大震災遺構・伝承館」を訪問し,震災の怖さや当時の状態,震災が人々に与えた影響等について学ぶ校外学習を実施した。また,津波だけではなく現在も頻繁に起こっている地震や土砂災害など,自然災害に目を向け,人々の暮らしの安全を守るためにできることを調査し,防災・減災についてまとめる活動を行った。地域の地形について再確認するとともに,起こりやすい災害等について学ぶことで,どのような備えが必要かなどを知り,生活に生かそうとする姿勢が芽生えた。人の命を守ることにつながる防災の重要性を確認することができた。

②2学年

2年生では「福祉のまち」をテーマに取り組んだ。地元の社会福祉協議会の方を講師に招き,車椅子を使ったキャップハンディ体験を実施した。身体の不自由な人がどのような思いをしているかなどを考えながら体験学習に臨んだ。また,地域の漁師や市役所観光課の方を招き,職業講話を実施した。仕事のやりがいや働くことの意義等について聞くことで,自分の将来につなげて考えさせることができた。

③3学年

3年生では「海のまち」をテーマに取り組んだ。本校が取り組んでいる海洋教育を土台に,コースに分かれて課題解決型学習を実施した。地元の海に行き,実際に目で見て感じた課題から各小テーマを設定して探究学習に取り組んだ。「海洋に浮かぶごみはどこから流れてくるのか」,「どのような種類のごみがあるか」,「ごみを減らすにはどうしていけばいいのか」などについて,自分たちで調べ,解決方法を模索して実施した。中には,プラスチックごみを減らすためにごみの集め方や給食時に牛乳を飲む際のストロー使用について考えるなど,ごみ削減に向けての啓発活動として,地域の方を交えて文化祭で発表した。

 

来年度の活動計画

2021年度は,「まちを知り,どのようなまちを目指し,そのためにどうしていけばいいのか」を大テーマとし,1年生「防災のまち」,2年生「福祉のまち」,3年生「海のまち」を各学年の柱として探究的な学習を推進していく。

今年度は,新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から,様々な制約がある中での実施であったため,次年度においては,新型コロナウイルス感染症の収束を祈りつつ,落ち着いて実施できる状況になったならば,今年度実施出来かねたフィールドワークや伝統芸能についての調査など,探究する範囲を拡大したり,招聘する講師数を増員するなどして,各学年の探究学習活動が実施できればと考えている。地域コーディネーターの協力を得ながら,教員自身も探究活動について研修に努めるとともに,生徒の思考力・判断力・表現力の育成に努めていきたい。