2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等, その他の関連分野

「地域の豊かな体験学習と多様な交流を通し,豊かな心をもち,ふるさと唐桑を愛する子どもの育成」をテーマに,ESDを本地域の特色である海をフィールドとした海洋教育を中核に推進している。実践を通して「主体的・協働的に学び,様々な問題を自分事としてとらえ,解決するために行動する力」の育成を目標とし,①地域の豊かな自然を実感する体験活動,②地域の海洋教育を支える人たちとの連携,③ふるさと唐桑に対する思いを共有し感謝の気持ちを表す場「リアスサミットin唐桑」の開催,④他校との交流に取り組んだ。
① 地域の豊かな自然を実感する体験活動
1・2年生は,幼稚園児と共に近くの浜で遊ぶ活動を行い,海のにおい・音・風景などを感じ取った。2年生は,前年11月下旬に受精させたサケの卵を地下水を用いて飼育・観察し,3年時の春に放流した。今年度も,2年生が11月下旬にサケの卵を受精させ飼育・観察を行っている。3年生はワカメ養殖,4~6年生はカキ養殖の体験や課題別探究学習などを通し,ワカメやカキが育つ海の豊かさ・生物の多様性などを体験的に学ぶことができ,山川海のつながりや環境保全活動の大切さに気付いた。

② 地域の海洋教育を支える人たちとの連携
本校の学校支援委員(地域の海洋教育を支える若手漁業者,漁協の職員,漁業従事者のOB,公民館等)や,地域の方に対する学習の支援要請を継続して行い,ワカメやカキの養殖体験の他,各自の探究学習の課題に対する講話などを実施した。特に,学校支援委員と繰り返し関わることで若手漁業者が誇りを持って仕事をする姿に身近に接し,よりよい生き方について学んだ。また,様々な方との触れ合いにより,ふるさとのよさを実感し持続したいという思いをもつことができた。

③ ふるさと唐桑に対する思いを共有し感謝の気持ちを表す場「リアスサミットin唐桑」の開催
海洋教育に関する学びを発表し,地域の方への感謝の気持ちを伝える場として全校で取り組んだ。「リアスサミットin唐桑」に向けて,学びを深め,分かったことを伝える準備を進めることで,児童が主体的・協働的に学ぶ姿が見られるようになった。また,更なる疑問を探究し,新たな思考へとつなげることができた。発表を通して地域の方から学んだことを伝えることで支援してくれた方々へ感謝の気持ちを表し,交流を深めることができた。さらに,そのことが児童の自信を深め,地域の未来を自分事として考えることができた。

④他校との交流

市内や県外のユネスコスクール加盟校との交流を行った。市内の山間部にある月立小学校と昨年度から総合的な学習の成果の発表会を行っており,今年度もZoomを活用し,互いの探究学習の中間報告を。今年1月のサミットに来校してもらい,学んだことから地域のよさを持続していくための話合いを。また,東日本大震災の支援を契機に交流している大牟田市立上内小学校とは,年度末の成果物による交流に加え,集中豪雨災害の励ましのメッセージや球根を送ったり,Zoomによる児童同士の交流会を行ったりしたことで,互いの学びをより身近かに感じ尊重しようとする態度が身に付いた。

来年度の活動計画

「豊かな心をもち,ふるさと唐桑を愛する子ども」の育成をめざし,地域の豊かな自然を実感する多様な体験活動と交流を通して,探究学習に継続して取り組む。生活科・総合的な学習の時間と各教科とを関連づけながら,海をフィールドとした地域の産業,人,環境に関する体験や探究活動を取り入れながら,各自の課題解決を図っていく。また,学びの発信の場として「リアスサミットin唐桑」の開催や,市内外の小学校との交流を継続することで,気付きや考えを自分の言葉で伝えるなど,児童の主体性や協働性と表現力や発信力の向上を目指す。さらに,海に関わる学びの中から地域の課題を見出し,SDGsに関する理解を深めることで,海洋教育を通した地域社会への働きかけや,未来につながる自発的な行動につなげていく。