2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「わたしたちにもできる、だれもが暮らしやすい地域づくり」を活動テーマとして、ESDをこれからの社会に生きる者に欠かすことのできない考え方と捉え、ESDの実践を通してより良い社会づくりに貢献しようとする態度と能力の育成を目標とした。
具体的には、SDGsの達成を目指して、国際理解・国際協力、持続可能な環境づくりを柱にプロジェクト活動に取り組み、①貧困・国際協力に係わる活動、②環境に係わる活動、③里海に係わる活動、④エシカルな消費活動に係わる学習を行った。

① 貧困・国際協力に係わる活動
2014年よりファースト・リテイリング社の「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参加し、子ども服を回収し難民キャンプに届ける活動に継続して取り組んでいる。文化祭で呼びかけたり、市立図書館に回収箱を設置したりして、多くの地域の方々の協力を得ることができた。また、開発途上国の学校給食支援を行い、先進国の人々に健康的な食事を提供する「Table For Two」の活動も3年目の取組となり、約1800食の給食支援を行うことができた。学校開放行事ではこれらの活動を地域に発信している。この活動を通して生徒は世界の国々に目を向け、世界的課題に関する理解が深まっただけでなく、自分たちの活動が国際貢献につながっているということを実感している。
② 環境に係わる活動
身近な環境課題の1つであるゴミがどのように廃棄、リサイクルされているかということを調べた。地域のリサイクルステーションの現状や毎日排出されるゴミ回収の問題点を調べることで、ゴミを減らすことが急務であることを感じた。ゴミ問題についてはインターネットなどを通して、様々な解決策を容易に入手できるが、実践できていない人も多い。そこで「まず自分たちが今日からでも始められる小さな工夫」を考えて呼びかけた。
③ 里海に係わる活動
本市には瀬戸内海国立公園があり、生徒にとっても幼いころから海は身近なものである。しかし成長とともに浜辺に出かけることが少なくなり、海の現状についても無関心になってしまうことが多い。そこで本年度から「里海づくりプロジェクト」を始めた。海洋に関する問題点や生活と結びついた「里海」として海を守っていくことの重要性について講話を聞いたあとで、海ゴミの回収に出かけ、ゴミを分類し、身近な海を保護するために取り組まなければならないことを整理して地元の幼稚園児に呼びかけた。あわせてマイクロプラスチックの深刻な問題について調べて報告し、私たちがプラスチックごみを減らすためにできることや家庭廃水の注意点なども伝えた。この活動を今後も継続していくことにしている。
④ エシカルな消費活動に係わる学習
昨年度フードロスを減らすための取組として、廃棄されそうな食品を集めて提供する「0円スーパー」を文化祭で行った。その時、来場者の行動を見ていると、まだ食べられる物についても、きれいに包装していなければ手に取ろうとしなかったり、傷んだところを取り除いた野菜には見向きもしなかったりするなど、消費者としての姿勢について考えさせられることが多々あった。そこで、持続可能な社会を築いていくために消費者としてどのような考え方をするべきかについて研究し、具体的な提案していくことにした。

来年度の活動計画

SDGsについて生徒が調べ発表していくことで、少しずつその理解が深まってきている。これを継続し、目標達成のためにどんな活動ができるかを考えて実践していく。
「持続可能な地域づくり」を目指して取り組んでいるプロジェクト活動(「総合的な探究の時間」)を核として、学校の特色ある活動として継続して取り組んでいくことにしている。中でも「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」「Table For Two」「里海プロジェクト」「エシカル消費」の活動内容を充実、発展させていくために、より多くの生徒が活動に参加するとともに、校外の様々な団体との協働の可能性を探っていきたいと考えている。