2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 食育

当校は、「ふるさと発見~地域の文化と願い~」を活動テーマとして、ESDを地域の良さに学び、地域の一員としての誇りをもつことと捉え、ESDの実践を通して伝統の継承と発展を担う人材の育成を目標とした。

具体的には、食、産業、文化を柱に、①伝統食に係わる活動、②伝統文化に係わる活動④伝統産業に係わる活動を行った。

① 伝統食に係わる学習

3年生は、総合的な学習の時間に、地域に伝わる食文化である「押しずし」の体験をした。「押しずし名人」である地域の方から作り方を教わり、一人一人が押しずし作りに挑戦した。押しずしは、家族みんなで祭りを祝うために(家事で忙しい母親も手を休めて一緒に食事できるように)作られたという由来や、アジやサバといった地元でとれた魚や海藻など海の幸、収穫した米、そして殺菌作用を持つ葉蘭で包むなど、押しずしは先人の知恵であるとともに、自然の恵みそのものでもあることを知り、このすばらしい文化を自分たちも大切にしていきたいという思いを持っていた。

② 伝統産業に係わる学習

5年生は、総合的な学習の時間を中心に、米作りについて学んだ。地域の「米作り名人」、JA、本やインターネットから、「米ができるまでにどんな仕事があるのか」「米作りはいつ頃から始まったのか」「米にはどんな栄養があるのか」などについて調べた。また、実際に「田植え」「稲刈り」「乾燥」などの体験をした。11月には、収穫した米(みどり米:餅米)を使って、「もちつき」を体験した。当日は朝早くから、たくさんの地域の方が準備やお手伝いをしてくださった。

米作りの体験を通して、子ども達は、校区には豊富な地下水があり、田畑をはじめ、染色団地、用水など様々な場所で利用されていることを知った。また、いつもあたりまえのように食べているお米が、実は、たくさんの人々の苦労があってできたものであることを知るとともに、地域の方々とのふれあいを通し、自分たちの活動はたくさんの方に支えられていることを知る機会ともなった。

④ 伝統文化に係わる学習

今年度も、3年生は、地域に伝わる「二塚ジョンカラ」を運動会で披露した。「二塚ジョンカラ保存会」の先生方に指導していただく中で、子ども達は、「二塚」とは、校区にある「おまる塚」と「びわ塚」という2つの古墳に由来していることや、「大正時代にこの地域に伝わるいろいろな踊りを統合するものとして生まれた」という歴史、二塚ジョンカラが、「毎年の豊作を願って踊られた」ことなどについて知った。練習や運動会での発表を通して、地域とのつながりを感じるとともに、自分たちが、地域に伝わるこの二塚ジョンカラを受け継いでいく立場であるという思いを持っていた。

来年度の活動計画

地域との連携を軸に郷土への理解と愛着を主要テーマとして持続発展教育の実践に取り組む。

3学年→地域に伝わる「二塚ジョンガラ」の伝承。郷土料理「押し寿司」の学習

4学年→伝統工芸「加賀友禅」「金泊」等の学習

5学年→米作り学習、餅つき体験

6年→ふるさと金沢の歴史学習、福祉体験学習