2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 国際理解, 平和, 人権

本校は金沢市の西部に位置し、明治3年に開校して今年度で152年目になる伝統ある学校である。学校の西側には日本海が広がり、夏場はさわやかな風とともに汐の香りが漂う自然豊かな環境である。かつては、北前船の寄港地として賑わいをみせ、学校の南西には古くからの町並みが広がっている。また、東側には金沢港があり、まさしく海とともに発展を遂げてきた地域である。ユネスコスクールの認定を受け12年目となり、環境や伝統・文化を主要テーマとして持続可能な教育の実践に取り組んでいる。

具体的には、地域の伝統文化、健康・福祉、キャリア教育を柱に、①金石の伝統についての学習、②人々が共に生きることについての学習、③銭屋五兵衛についての学習、④仕事観に係わる学習を行った。

①金石の伝統についての学習

児童は、金石のお祭りで行われている「悪魔払い」について知り、どんな事をしてなぜ長い間受け継がれているのかなど調べた。家族や地域の人にインタビューを行いながら情報を集める中で、自分たちの町、金石に興味を持ち始めていた。地域のお年寄りや壮年会の方に来ていただき、実際に悪魔払いの所作について教えてもらったり話を聞いたりすることで、地域の人々の願いを学ぶことができた。

②人々が共に生きることについての学習

児童はまず、アイマスクをつける活動をし、目の不自由な人々の生活について考えた。そして、目の不自由な人に便利な道具にはどんなものがあるか、サポートをする時はどうしたらよいかなど本やインターネットで調べた。この学習を通して、児童は目だけではなく、足や耳が不自由な人の生活にも関心を持つようになった。また、自分の周りの環境について改めて考えさせたことで、金石の町の福祉についても関心をもち、地域の施設等への交流を行った。

③金石の偉人についての学習

金石の銭屋五兵衛について知り、記念館の見学をおこなった。記念館の見学から持った疑問についてそれぞれが本やインターネットで調べ、まとめた。また、地域の方のお話を聞いたり、インタビューをしたりして、その生き方を学んだ。最後に、銭五検定を受け、地域の偉人である銭屋五兵衛についての理解をさらに深めた。

④金石の未来を考える学習

沼津市立香貫小学校との交流に向け、金沢の良さとともに金石の残したいもの、よさを伝える学習を行った。さらに、未来の町の姿を考えまとめる学習を行った。海洋教育と関連づけ、海の町のよさを知り継承していきたいという地域の一員としての自覚をもつ学習を行うことができた。交流会では、お互いの地域の歴史や魅力などを伝え合い、交流を深めることができた。

来年度の活動計画

2023年度は、今年度の学習を踏まえ、海洋教育を中心にSDGsを意識した学習を行っていく。特にふるさと学習として、地域を思う子どもを育んでいく。
➀悪魔払いなどを中心に伝統ある金石の町・海との関係について
②銭屋五衛兵と北前船を中心に栄えた町と海のつながりについて
③海洋ゴミを中心とした環境問題について
④SDGsのもと、今の現状とこれからの金石・金沢について