2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 持続可能な生産と消費

テーマを「育てよう小さな命、探そう自然の不思議」とし、ESDの実践を通して幼児が身近な環境に主体的にかかわり自分の生活や遊びに取り入れたり、自然の面白さや不思議さに心を動かし豊かな心を育んだりすることを目標とした。

① 園内の身近な自然に親しみをもつ活動

 ・園内で捕まえたダンゴムシやツマグロヒョウモンの幼虫など身近な生き物に関心がもてるように保育室で飼育した。ツマグロヒョウモンの幼虫を、初めは「怖い」と言っていた幼児も、毎日間近に見ることで、葉を食べる様子やうんちをする様子に興味を持ち、触れたり世話をしたりするようになった。また、幼虫から蛹、蛹からチョウへの変化に驚き、その面白さや不思議さを感じることができた。それまで身近な生き物に興味のなかった幼児も虫探しをしたり、珍しい虫がいると「何かなあ」と本を見たりして、動きや形、色など自ら発見したことを友達と伝え合い、好奇心、探究心を持って自然にかかわるようになった。

② 地域の自然環境を取り入れた活動

 ・環境カウンセラー、保護者サポーターと一緒に、年間を通して地域の自然が手つかずで残っている「熊野社」へ散歩に出かけた。四季の自然の移り変わりを諸感覚を通して感じたり、自分の住んでいる地域に豊かな自然環境があることに気付いたりすることができた。また、環境サポーターを招いて生き物に関する劇を見せていただいた。劇を通して、生き物の住みやすい環境について考え、学ぶことができた。

③ 生き物との出会いを喜ぶ活動

 ・3歳児の時にインコの死、4歳児の時には譲り受けたうさぎを病弱で動物病院へ返す経験した5歳児は、名前を考え心待ちにして新たなうさぎを迎えた。小さな赤ちゃんうさぎをそっと眺めたり、小声で話したりし、自然と優しい気持ちで接する姿が見られた。また、えさや水を気にかけ、「おなかがすいてるみたい」と生き物と自分を重ね合わせて考える優しい心をもったり、生き物の命について、飼うために必要なことを考えたりすることができた。

来年度の活動計画

今年度もみかんの木にたくさんの実がなり、徐々に黄色く色づく様子を目にし、みかん狩りを心待ちにする幼児の姿があった。みかんの木には毎年あげはの幼虫や鳥がやってきて、幼児が自然に生き物に触れる環境だと考える。そこで、2020年は、ビオトープづくりを保護者や地域の方と進め、実のなる木や以前は地域に咲いていた花を植え、四季折り折りの植物の成長の様子をみたり、身近な生き物と触れ合ったりできるような環境をつくりたいと考える。そして、今ある自然を大切にしていこうという気持ちを育んでいきたいと考える。