2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 人権, ジェンダー平等, 健康, その他の関連分野

コロナ禍により、予定していた活動ができず、課題探求型学習として以下のような内容を実践した。

 

(1)コロナ禍による休校期間中に実施した課題探究型学習(練習課題①)

令和2年2月下旬の内閣総理大臣の発した全国の小中高に対する一斉休校の要請により、岐阜県の高等学校では5月末まで休校措置となった。これを受け、本校では休校期間中に以下の内容で2年生約270名を対象に課題探究型学習を実施した。

【課題】

新型コロナウイルス感染症とスペイン風邪による岐阜県の被害を比較し、この被害の違いの背景を考察する。

【具体的学習内容】

①岐阜県における令和2年5月までの新型コロナウイルス感染症による被害の現状を調べる。

②スペイン風邪における岐阜県の被害状況を調べる。

③ワクチン開発の過程を調べる。

④スペイン風邪の被害に比べ、新型コロナウイルス感染症の被害が抑えられているのか考察する。

以上の内容を生徒一人一人がワークシートにまとめる。オンライン学習支援システムを活用し、解説動画を作成した。分散登校期間に生徒一人一人に画用紙を配付し、まとめ新聞を作成させた。一斉登校再開後、画用紙をグループ内で回し、互いのまとめた内容を評価し合った。その後全員分を廊下に掲示した。

 

(2)学校再開後に実施した課題探究型学習(練習課題②)

令和2年7月に4回の授業を使い、感染症対策を行ったうえでグループ学習を行った。新型コロナウイルス感染症対策として学校が行っている内容は様々あるが、その中で課題であると思う点を一つ挙げ、その改善策を提案し、KP法(紙芝居プレゼンテーション)を用いて発表した。この学習を通して、生徒たちに社会に目を向け、視野を広げさせるとともに、プレゼン能力を育成することを目指した。

 

10月5日には各務原市役所より地域アドバイザー16名を招き、地域の実態についてグループごとに入りアドバイスをいただいた。

小さな子どもから読書に親しみを持ってもらう取り組みを実践するために、ポップをつくったグループと、小さな子どもたちが歯磨きを継続的に行えるように絵本を作った複数のグループは、各務原市中央図書館に展示コーナーを設けてもらい、地域での実践を行った。

その後、各グループでこれまで学習した内容を整理するパワーポイントを作成し、課題解決に向けた方策を提案した。

10月26日の5時間目の総合的な探究の時間では、まず各教室でグループごとの発表会を実施した。地域アドバイザーにも見ていただき、投票を行って学年の全体で発表してほしいと思うグループを選出した。この日の6・7時間目の体育館で行った学年全体の成果発表会では、各テーマから選出された全14グループが順番に発表を行い、互いに探究した成果を発表した。

11月からの総合的な探究の時間3時間を使い、これまで学習した内容を一人一人が小論文5枚にまとめた。この小論文の中で、生徒一人一人が地域の魅力と自己の在り方にも言及し、これからの時代を担う地域社会人として考える機会となった。

【生徒が書いた小論文より】

自分が通う高校がある各務原市の魅力は、知られていないがLGBTの人々やその方以外のための対策がきちんとされているという点だ。LGBTについて調べる中で、この各務原市は市役所のトイレには「だれにでもどうぞ」と書かれたものがトイレの前に示されていることがわかった。これによって、「周りからの目が気になって、トイレに入りづらい」という人も、気にすることなくトイレを利用することができるようになっている。

次に、私自身の今後の在り方や生き方について、まずは、もっと自分の周りにあることについて目を向けて、社会について知っていきたいと思うようになった。これまでの私は、ニュースや新聞などを見ず、社会について興味はなかった。しかし、この学習を通して、今後は知らない所で苦しんでいる人のことを知り、社会をより良くするためにも、ニュースや新聞を見ることをしていきたいと思うようになった。そして、将来は、このように苦しんでいる人に対し、偏見を持たず、全ての人に平等に接し、あたたかい世の中にできるようにしたいと思った。

来年度の活動計画

昨年度取り組んだ、「服のチカラ」プロジェクトか、一昨年度まで2年連続取り組んだ「世界一大きな授業」を実施予定

探究活動の継続と発展